経理・財務・会計ファイナンス人材のためのキャリア名鑑
ファイナンスの知見で、経営革新を実現する
会計知識を経営の現場で活かして、ダイナミックなキャリアパスへ
700万円~1,100万円
※業績や評価によって変動
22歳~30歳
会計系コンサルタントの真髄は、「会計×経営」の観点から企業の変革を先導し、数字という武器で経営の道標となることです。日本社会で会計の透明性や企業ガバナンスが強く求められるなか、会計系コンサルタントの社会的役割は年々高まっています。クライアントとなるのは、大手上場企業や外資系企業、金融機関から成長著しいスタートアップまで幅広く、その事業フェーズや経営課題も多種多様です。
主なプロジェクトは、IFRS(国際財務報告基準)導入や経理業務改革、決算・開示早期化、連結決算体制の構築、J-SOX・内部統制支援、会計まわりのデジタル化推進などです。会計制度改正やM&A・組織再編といった“大きな変化”に直面した企業からの相談が多く、複雑な財務諸表の読み解きから、全社の業務フロー設計、現場スタッフや経営層への研修・導入支援まで「広く・深く」クライアントの課題解決に寄り添います。
日常の業務は、まず現状ヒアリングと資料収集からスタートします。クライアントの会計方針・原価計算・内部統制体制や、業務オペレーションを丁寧に分析します。現状の課題を定量的に診断し、経営陣・現場とのディスカッションを重ねた上で、改革案や業務設計を提案資料として仕上げます。そこからプロジェクト計画を立て、スケジュールとマイルストーンを設計、チームを編成して実行フェーズへと移ります。
リスク管理・シミュレーション力も不可欠です。たとえばIFRS対応では、影響額の事前試算や連結範囲・会計方針整理を細かく行い、制度導入後に想定される開示・税務リスクを多面的に洗い出します。M&A案件では、財務実態調査をもとに「将来の損益インパクト」や「資金繰り悪化のリスク」をシナリオ分析し、意思決定をサポート。各プロジェクトでAIや会計デジタルツールも駆使し、着実かつスピーディな実行を図ります。
このフィールドで必要なのは、会計知識だけでなく、企業の構造・経営環境・ガバナンス変化を俯瞰できる“経営感覚”と“対話力”です。自身の提案がクライアント経営に「見える成果」として反映された時の達成感、プロフェッショナル集団同士で連携するスピード感、変化と挑戦の刺激が、会計系コンサルタントのワクワクする原動力と言えるでしょう。
会計系コンサルタント職は、会計・財務の“守り”と“攻め”のバランスを両立しながら、企業の大きな意思決定や業務変革に直接貢献できるダイナミックな仕事です。経理・財務の専門性はそのままに、クライアントファーストで幅広い課題を解決できる経験とキャリアの広がり、そして経営層からの高い信頼を獲得できるところが大きな魅力です。
会計分野に強みを持ちながら、仕事のフィールドは経営管理、リスクコントロール、グループ戦略、デジタル化など多岐に渡ります。たとえばIFRS導入や決算早期化プロジェクトの場合、制度改正・会計処理の高度な知識に加え、全社プロセス改革・ITツールの導入・現場指導も担当します。クライアントの「社内外の信頼性向上」や「国際競争力強化」にダイレクトに影響を与えることができます。
また、M&Aやグループ再編案件の場合、PMIや財務デューデリジェンス・企業価値算定、買収後の業務統合まで一気通貫で経営“大再編”の伴走役になれます。数字のプロフェッショナルとして、「見えないリスク」を炙り出し、時には経営の意思決定そのものに大きな価値を加えることができるのは、他職種にはないやりがいです。
加えて、会計系コンサルには早い段階からクライアント対応やプロジェクトリードが与えられるケースが多く、20代後半〜30代前半で経営層から一目置かれる存在となることも夢ではありません。監査や経理だけでは味わえない「変化」や「チャレンジ」、「成長の実感」が日々得られるため、長期的に専門性も市場価値も磨かれます。
数字を扱うだけでなく、それを経営の“言語”にし、企業の未来を共に創るパートナーを目指すことが会計系コンサルタントの最大の魅力です。会計知識をより社会的に、より大きな仕事へ活かしたいと考えている方に、これ以上ないフィールドです。
会計系コンサルタントの仕事は、プロジェクトの内容や繁忙期に応じて変化します。ここでは企業の決算早期化支援プロジェクト(3月決算企業を前提)を想定した月別スケジュール例を示します。
主な業務は決算業務の効率化と透明性向上、重要会計基準対応のコンサルティングです。クライアントの現状ヒアリング〜業務フローの再設計、現場教育、成果評価まで一気通貫でリードします。初動の正確な課題抽出と、改革案実装に向けた現場巻き込みが特に問われます。
J-SOXなど内部統制制度の運用・評価、グループガバナンス整備を支援します。業務記述・リスクコントロールマトリックス作成、現場監査、課題指摘・対策提案まで専門性を活かして対応。特に制度改正や事業拡大タイミングでのリスク管理力が重要です。
再編・買収案件では財務デューデリジェンス(DD)、会計方針確認、PMI(統合後業務設計)までが任務です。財務・会計視点のリスク洗い出し、買収による連結・開示インパクトのアドバイスなどは、企業価値最大化の意思決定に直結します。高度な分析力+対話力を発揮できます。
会計系コンサルタントの年収は、一般的に700万円〜1,100万円が中心で、若手・未経験層で600万円台、経験豊富な中堅層やリーダー層で1000万円を超えるケースも多々あります。会計士資格や、プロジェクトリーダー実績がある場合はさらに優遇される傾向です。
大手監査法人(Big4)のグループ会社を除いた、独立系または専門性の高い会計コンサルティング会社をご紹介します。
概要
特徴的なサービス
企業規模
競争優位性
概要
特徴的なサービス
企業規模
競争優位性
概要
特徴的なサービス
企業規模
競争優位性
概要
特徴的なサービス
企業規模
競争優位性
これらの独立系会計コンサルティングファームは、それぞれが特色ある専門分野を確立しながら、中堅・中小企業向けの実践的なコンサルティングサービスの提供に強みを持っています。Big4系列のコンサルティングファームとは異なる切り口からクライアントの経営課題解決を支援しています。
会計・財務情報の正確性と信頼性を担うため、高い倫理観が求められる。プロジェクトの核として業務推進する場面では、厳しい納期順守の責任感が活きる。
業務改革や新制度対応など、新たな課題に前向きに挑戦できる柔軟性が必要。制度変更やM&A案件等、変化の多い現場で積極性が活きる。
多様なプロフェッショナル同士での協働が不可欠。チーム全体の成果最大化・情報共有の姿勢が問われる。
会計データや業務フローの問題特定→仮説立案→検証のプロセスに強み。プロジェクトの根本課題を見抜く場面で重要。
専門用語を分かりやすく伝え、現場〜経営層と目的を共有できる力。提案プレゼンや現場OJTで特に発揮される。
会計制度・経営環境の変化にキャッチアップし、自己研鑽を続ける姿勢。新規領域(IT・デジタル等)との掛け合わせも歓迎される。
会計・財務への誠実さ、変化への柔軟性と挑戦心、協働と論理構築力が実務現場で最大限生きる職種です。
決算・経営管理・連結会計・IFRS等の実践理解。業務設計・改革や専門分析の場面で必要になります。
実務データの可視化、提案資料・報告書の高品質化。
会計・ERPシステム設計やRPA導入支援。
計画立案、タスク管理、進捗把握、納期管理力。
IFRS導入や海外案件での文書読解・会話力も重視。
専門性・実務・対話力の三拍子に加え、「+IT」「+英語」への適応力が今後一層重視されます。
直前に想定されるポジション
さらに手前にあり得るポジション
複線的なパス
会計・経理の実務経験に加え、課題意識・論理思考・変革への興味があれば、会計系コンサルへの転身は多様な道があります。早いうちから資料作成や分析、プレゼン技能、英語・IT習得を意識して磨いておくと道が開けます。
会計系コンサルタントとして実績を積めば、将来的には会計分野のスペシャリストとして社内外で厚い信頼を集め、様々なキャリアの広がりが期待できます。たとえばコンサルティング会社内でマネージャーやシニアマネージャー、パートナーへ昇格する道に加え、クライアント企業のCFO・経営企画部・財務責任者として事業会社側へキャリアチェンジするケースも増えています。
同時に、IFRS導入・グループ再編やM&Aといった専門案件を成功させることで、業界横断プロフェッショナルネットワークや国際案件の経験も蓄積できます。会計士資格や英語・ITスキルを高めれば、グローバル拠点管理、海外子会社支援、スタートアップCFOといった新分野にも展開可能です。
会計や数字という「不変の専門性」を持ちながら、社会や時代の変化と一体化してスキル・市場価値を伸ばせるフィールドであることが、会計系コンサルタントの大きな可能性です。その先には、独立コンサルタントや会計教育者、さらには海外でのキャリア形成といった未来も待っています。