経理・財務・会計ファイナンス人材のためのキャリア名鑑

会計人材のキャリア名鑑

独立系FASのパートナー

「クロスボーダーM&Aから再生支援まで、最前線で勝負するプロフェッショナル」

未来を描くクライアントの意思決定に寄り添う、信頼のアドバイザー

真の価値創造をリードする、コンサルタントキャリアの最高峰

主な業務内容

  • M&A、再編・再生、事業承継など財務アドバイザリーの案件全体統括
  • 新規案件獲得、顧客経営層とのリレーション構築・提案活動
  • チームマネジメント、専門人材育成、組織戦略の牽引

想定年収

2,500万円~5,000万円以上
案件数・成果・責任範囲・組織規模によって変動

想定年齢

38歳~60歳

独立系FASのパートナーは こんな仕事

「経営のダイナミズムを最も間近で体感したい」「自らクライアントの成功の現場を作りたい」-独立系FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)のパートナーは、まさにその集大成を現実で体験する役職です。大手監査法人系とは異なり、柔軟性や市場環境のスピード感を武器に、顧客のM&A、事業再生、組織再編、IPO支援など“経営と財務のリアルな変革現場”を主導します。

具体的には、事業承継に悩むオーナー、成長加速を目指すスタートアップ、クロスボーダーM&Aを検討する大企業など、多種多様なクライアントニーズへダイレクトに応える第一責任者として活躍します。クロージングまでの全プロセスを総指揮し、案件によっては100億円級のディールや国境を越えた複雑なプロジェクトも担当します。
営業活動としては、既存顧客のCFOやオーナー経営者、上場企業IR部門のリーダー層との折衝はもちろん、業界ネットワークを活かした新規案件の創出・提案も日常的な業務です。

プロジェクトワークでは、バリュエーション(企業価値評価)、デューデリジェンス(財務・事業・法務調査)、取引終了後のPMI支援から企業再生計画立案まで、最高度の専門性とリーダーシップを求められます。独立系のパートナーならではの醍醐味は、クライアント意思決定者と直接対話し、既成概念に縛られない大胆な提案と実行力を発揮できる点。意思決定スピードや施策の自由度も高く、自分らしいスタイルで“本質的な価値提供”を形にできます。

実務面でのリスク管理は、クライアント状況や案件規模ごとに大きく異なるため、「独自の仮説シナリオ」「多面的なシミュレーション」「リスク分散スキームの組成」が必須です。たとえばクロスボーダーM&Aであれば為替変動・法規制リスク、企業再生ならキャッシュフロー崩壊リスクなど、先手の備えが重要となります。また社内では、パートナー自らがユニット長・コンサルタントチームを率い、若手人材の育成、専門領域の拡大にも積極的に関与します。

本質的なリーダーシップとビジネスセンス、そして絶え間ない市場・技術・会計・法律の学び直し -すべてが揃ったとき、唯一無二の“クライアントの右腕”へと昇華されていきます。独立系FASのパートナーは、日本の経済・産業構造に革新をもたらす“未来創造型”プロフェッショナルの頂点です。

独立系FASのパートナーという ポジションの魅力

パートナーの一番の魅力は「企業変革の瞬間に自ら介在できる爽快感」と「成果=報酬=影響力が正面からリンクするキャリアの最終到達点」にあります。FASはコンサルティング業界でも最も“生々しい経営現場”に寄り添うフィールド。その中でパートナーは、クライアントの最も重要な意思決定に直結する助言やアドバイスを匿名ではなく、パートナー自身の名前で提供できます。

案件の規模も多彩です。数十億円、百億円超の大型ディールから、スタートアップや地域企業の事業承継・再生まで、自らがオーナー的視点でアドバイスを行い、結果が「日本経済の未来をつくる一手」となるダイナミズムが感じられます。大手コンサル系と比較して顧客に近い距離感、スピーディーな意思決定、自由なサービス設計など、独立系ならではのフロンティア精神で新しい市場やテーマへの挑戦も歓迎されます。

また、FASパートナーはプレイヤーだけにとどまらず、経営チームとして自社の成長と風土づくりにも深く関われます。会社の方針決定や新規サービス立ち上げ、優秀な若手・中堅人材の採用育成も「自らの裁量と責任」で推進可能。クライアントだけでなく“自社も一緒に成長できる”のは独立型パートナー最大の強みです。

さらに、報酬や社会的なステータスもトップクラス。案件獲得や組織利益をダイレクトに享受でき、年収やインセンティブが大きく跳ねるのはパートナーならでは。顧客企業からの絶大な信頼、若手コンサルタントへのメンター的役割など社内外での影響力も広がります。M&A/再生/事業承継/IPO…領域を問わず発信やネットワークを活かせば「市場を創る側」に君臨できるのも独立色の醍醐味です。

“プロとして本気の勝負がしたい”“経営の未来をリードしたい”-そんな熱い想いを、最高峰のステージで実現できる。それが独立系FASパートナーの特権です。

独立系FASのパートナーの 年間スケジュール例

独立系FASのパートナーは、四半期・年度などで案件の山場と新規開拓時期が集中します。多忙だが自律的にタイムマネジメントできるのが特徴です。以下は1月期決算を想定した一年間の主な業務例です。

1月

  • 年度方針立案と経営戦略会議
  • 重要顧客向け年頭プレゼン/関係構築強化
  • 案件パイプラインの見直し、新テーマ発掘

2月

  • 大型M&A案件受注~NDA締結・バリュエーション作業の指揮
  • クロスボーダー案件での海外FAとの調整
  • 若手メンバーの育成MTG

3月

  • 四半期業績レビュー/スタッフボーナス査定
  • 事業承継セミナー登壇/新規見込み先フォロー
  • 案件クローズ(M&A・再生PJ等)の最終意思決定

4月

  • 新年度予算策定と組織編成会議
  • 成約事例の振り返り・ワークショップ開催
  • 顧客経営者へのキーマン面談

5月

  • IPO準備・スタートアップ向けアドバイザリーPJ開始
  • 新規業務提携先(弁護士・会計士等)との事業構想MTG
  • 海外出張(クロスボーダーディール面談、現地DD支援)

6月

  • 半期決算・リザルト分析/新規営業戦略立案
  • 大型再生PJの月次評価会議、改善提案
  • 社内勉強会・ノウハウ共有

7月

  • サマーマーケット状況分析/新業界リサーチ
  • M&Aディールのクロージング/大型契約書レビュー
  • 業界イベント/学会へのスピーカー参加

8月

  • オーナー企業向け再編、事業承継アドバイス実行
  • 人材ヘッドハンティング・リファラル活動
  • 案件特殊リスク対策(トップ面談・リーガル対応)

9月

  • 半期業績報告・株主対応
  • スタッフサーベイ・人事評価の最終確認
  • コア顧客や金融機関との懇談会議

10月

  • 次年度バジェット策定/成長戦略ワークショップ
  • クロスボーダーDD・海外パートナーMTG
  • 新人ジュニア/中堅スタッフのメンタリング

11月

  • ベンチャーM&Aセミナー企画・主催
  • 投資銀行、PE・VC等との案件協議/提携交渉
  • 顧客向け新サービス発表・PR活動

12月

  • 年末全社会議・評価・インセンティブ決定
  • エグゼクティブ顧客へのクリスマス/年末挨拶
  • 社内表彰・ナレッジ共有イベント

定例業務・臨時業務

  • 週次:主要案件進捗会議、営業会議、チームマネジメントMTG
  • 月次:新規顧客開拓、顧客企業とのトップ面談、金融機関・法務事務所等との連携
  • 随時:大型ディールの緊急判断、危機対応、提案書・報告書の最終確認

独立系FASのパートナーの 重要任務

独立系FASパートナーは、次の3つの軸で抜群の実務力が問われます。

1.案件全体マネジメントと品質責任

M&Aや事業再生の全プロセス(案件発掘〜ピッチ、デューデリジェンス、バリュエーション、交渉・クロージング)で指揮を執り、最終アウトプットの品質、期限遵守、クライアントへの提案内容に責任を負います。部下のレビューやリスクシナリオ検討も担い、「最終判断者」としての重みが絶大です。

2.案件獲得・顧客リレーション構築

経営者層・CFO、PEファンド・金融機関、弁護士などあらゆるキーマンとのネットワーキング・新規案件開拓が不可欠。独自ルートで“紹介”や“提案型”で案件を作れる発想と営業力が常時求められ、「ブランドそのもの」として認知されています。

3.チームマネジメント・人材育成・組織戦略推進

パートナーはユニットや全社の戦略実行部隊長でもあります。若手のアサイン・育成、評価、キャリア開発に主体的に関与し、知のエコシステムを作る役割。「自分発の新規事業」「新サービス」「人事・組織改革」にも中心で関われます。

この3本柱により、「プレイヤー」から「クリエイター」への成長を遂げるFASのトップ層となります。

独立系FASのパートナーの 報酬水準

報酬の概要

  • 年収2,500万円〜5,000万円以上の水準、大型案件の連続成約や自組織利益・ストックオプション等で、年収上限を大幅に超えることもある。
  • 一般的に月給150万円〜300万円+成果連動のインセンティブ(自らの当期利益分配や組織全体業績シェア)が主流。

報酬の構成要素

  • ベース給与+業績連動報酬(粗利/売上/利益率ベース)
  • ストックオプション、レベニューシェア等のエクイティ制も選択可能
  • ボーナス/特別報酬(組織MVP、戦略PJ寄与分など)
  • 社会保険、厚生年金、交通・住宅手当、出張手当等

報酬の変動要因

  • 案件件数・売上・粗利水準(個人・組織ベース)
  • 自身が持ち込んだクライアントの規模・継続性
  • パートナーシップ契約・ストック保有比率
  • チーム拡大/人材・新規事業への投資貢献

報酬のトレンド

  • 独立系は自由度が高く、働き方や報酬設計も多様化
  • 弁護士・PE・事業会社出身の新進パートナー参画による報酬帯のボーダーレス化
  • インセンティブ比率増、個人成果・組織貢献の可視化進行中

“成果=報酬”が分かりやすく、ハイリターン志向のシニア層にもぴったりな環境です。

独立系FASのパートナーの 代表的な会社

独立系FASはクライアントの状況に応じて柔軟なアドバイスを行える点が監査法人系FASとの大きな違いであり、特に中小企業やオーナー企業との密接な関係構築を得意としています。日本における独立系FAS企業の中でも代表的な企業を紹介します。

1. 日本M&Aセンター

日本M&Aセンターは、業界最大級の規模を誇る独立系FAS企業です。主に中堅・中小企業のM&A仲介業務を中心に活動しており、全国各地で豊富なネットワークを構築。企業成長を目的とした戦略的な買収や事業承継を支援すると同時に、経営者同士の信頼関係を重視したサービス提供が特徴です。また、専門性に裏打ちされた合理的なマッチング技術により、高い成約率を誇っています。

2. レコフ (RECOF Corporation)

M&A仲介という分野において長年の実績を持つレコフは、特に日本国内の企業間取引に定評があります。同社は、ビジネススキームの調整だけでなく、企業価値を最大化するための戦略的な提案が得意です。クロスボーダー案件にも対応しており、国際的なネットワークを活用したサービス展開も進めています。

3. 山田コンサルティンググループ

再生支援やM&Aだけでなく、経営コンサルティングを幅広く手掛ける山田コンサルティンググループ。特に中小企業の事業承継や事業再生に関するアドバイザリーが得意であり、具体的な経営課題の解決に寄り添う姿勢が特徴です。また、企業診断や戦略策定に関する能力の高さから、大手企業の支援業務を担当する機会も増えています。

4. ストライク株式会社

ストライクは、M&A仲介に特化したサービスを展開している独立系FAS企業です。その強みは、柔軟な対応力とクライアントのニーズを徹底的に追求する姿勢です。中小企業やオーナー企業の事情や価値観を理解し、具体的かつ効果的な提案を提供しています。特定の規模や業種に限定されない幅広いアプローチが評価されています。

5. M&Aキャピタルパートナーズ

中小企業のM&A仲介業務を得意とするM&Aキャピタルパートナーズは、顧客のニーズに応じたオーダーメイド型の提案を提供しています。同社では企業の重要基盤となる経営の安定性や発展性を考慮した上でのサポートが特徴であり、事業承継や買収後のフォローアップにも力を入れています。

独立系FASのパートナーに 向いている人は、どんな人?

■求められるマインド

1.徹底したオーナーシップ

 自分自身が“経営者”であり“事業責任者”。顧客やチーム、案件、組織全般に対して自ら責任を持ち動ける胆力が必須。

2.柔軟性・変化対応力

 市場・技術・制度の急変や多様な顧客状況に俊敏に適応できる柔軟な思考・行動力。新しいテーマにも怯まない。

3.挑戦心・セルフスターター気質

 前例主義や伝統にとらわれず、常に新しい手法・市場開拓へ果敢に挑める開拓者精神。

4.論理性とリーダーシップの両立

 高度な専門知識に基づくロジカルな分析力・意思決定力。チームを巻き込み、人を育て結果を出すリーダー資質。

5.利他性・社会貢献意識

 クライアント成功・社会課題解決への熱い想いを持ち、その長期成長や幸福に全力を尽くせる信念。

6.セルフブランディング・発信力

 自分自身のストーリーや専門性を外部・業界・顧客に効果的に伝え、影響力で市場を牽引できる力。

パートナーには「経営者感覚」「変革への熱意」「共感型リーダーシップ」「社会利益を考える良識」が不可欠です。

 

■必要なスキル

1.M&A・バリュエーション・再生/ファイナンス等の高度専門知識

 財務、会計、法務、戦略、ファイナンス、経営分析等の専門領域に精通。

2.コンサルティングプロジェクト推進力

 案件発掘からクロージングまで全体をディレクションできる実務遂行力。

3.ピッチ・ネゴシエーション力・提案営業力

 企業トップ、金融機関、PE、士業等との交渉・提案力。新規案件のパイプライン構築。

4.グローバル対応力・語学力

 クロスボーダー案件や外資ファンド、海外カウンターパートとの交渉ができる能力。

5.チームマネジメント・人材育成経験

 メンバーの評価・アサイン、成長支援、組織運営やカルチャー改革の実践能力。

6.リスクマネジメント・危機対応

 案件固有特有の法務・財務・事業リスクを先読みし、緊急時に陣頭指揮を執る胆力。

7.発信・プレゼン・執筆・講演等のブランディング能力

 業界や顧客へ的確に自社・自分の価値提案を伝える能力。

“攻め(営業・案件獲得)”と“守り(案件品質・人材育成)”の両輪で、経営トップ層・業界リーダーと伍して戦う一流の汎用力が肝要です。

独立系FASのパートナーまでの 道のり

独立系FASパートナーへの道は、一般的な企業内マネジャーや士業のキャリアとは一線を画す「経験とスキルと胆力の集大成」といえます。

直前のポジション

  • FASファームのマネージャー、ディレクター、シニアコンサルタント
  • 他ファーム(監査法人、BIG4、外資コンサル等)のパートナー・ディレクター・シニアマネージャー
  • PEファンド、商社、投資銀行での事業投資責任者
  • 大手金融機関やベンチャーのCFO・財務責任者等

その前段階

  • FAS・コンサルタント/シニアアソシエイト、アナリスト
  • 公認会計士、税理士、弁護士などの高度専門職
  • M&Aアドバイザリー/企業再生PJなどの業務経験

若手時代・基盤づくり

  • FAS/監査法人/コンサル/金融機関/ベンチャー/商社等での案件経験積み上げ
  • 公認会計士、税理士、MBA、米国公認会計士等の資格取得
  • ピッチ、提案書作成、仮説検証、大型案件サブ担当等を通じたスキル定着

キャリアのなか中でコンサル/金融から士業独立、商社や事業会社財務→出戻りもあり“複線キャリア”構築が可能です。長期的な専門力・事業創造力・リーダーシップを一歩ずつ高める積み上げ型キャリアです。

独立系FASのパートナーの キャリアパスの展望

独立系FASパートナーは、その知見と人脈、実績からキャリアの「最上位層」に君臨します。長期的には自社の経営役員や代表パートナーとして会社成長をリードすることも可能。また、新規ファーム設立や他ファームへのヘッドハント、PEファンドやスタートアップ経営層への転身、上場企業の社外取締役やアドバイザーなど、経営・投資・社外役員等への出口も多彩です。

業界/社会への発信力を活かし、学会講師・執筆・大学院MBA講師や海外業界団体へのコミットメントも。「思いを仕事に」「世の中を変える」直接的な社会貢献を果たしつつ、名実ともに“プロフェッショナル経営者層”として活躍できます。まさに「唯一無二の頂点キャリア」です。

まとめ

役割と責任

  • 財務アドバイザリー全般、クライアント企業の課題解決・成長支援の指揮官
  • 案件獲得・マネジメント・人材育成・組織成長戦略の推進者

求められるマインドやスキル

  • オーナーシップ、挑戦心、共感リーダーシップ、社会貢献意識、発信力
  • 高度な財務・M&A・再生知識、コンサルPJ遂行力、営業・交渉、組織マネジメント、グローバル対応

重要な職務

  • 案件全体マネジメントと品質責任
  • 案件獲得・顧客リレーション構築
  • チームマネジメント・人材育成・組織戦略推進

キャリアパス

  • FAS内での経営役員・代表パートナー、他社への転職、PEファンド/投資先経営層、社外役員/学識者など、最高峰だからこそある豊富な選択肢のあるキャリアパス
  • 独立・新規FASファーム設立や海外進出などのチャレンジングなキャリアも魅力