経理・財務・会計ファイナンス人材のためのキャリア名鑑
財務の羅針盤を握り、戦略的視点で企業価値を高める
1人のスペシャリストから経営参謀へ、キャリアの可能性は無限大
上場企業の要として活躍し、会社の明日を創る醍醐味
500万円~1,000万円
※業績や評価によって変動
28歳~40歳
新興上場企業の経理部マネージャーという役職は、企業の成長を財務面から支える重要なポジションであり、経営の羅針盤を握る、現場のプロフェッショナルです。業績を数値で可視化し、投資家に企業価値を伝え、経営判断のための的確な情報を提供する——その責任は重大ですが、だからこそ、やりがいも大きいのです。
成長企業では、経理部マネージャーの役割は日々変化し拡大します。経理の専門知識はもちろん、経営視点や戦略思考が求められ、その分野で実力を発揮すれば、将来はCFOや経営幹部としての道も開けています。財務のプロフェッショナルとして会社の成長に貢献しながら、自身も大きく成長できる——そんなダイナミックなキャリアを目指したい方に、ぜひ挑戦していただきたいポジションです。
新興上場企業の経理部マネージャーは、帳簿をつけるだけの仕事ではありません。企業の「財務の中枢」として、数字を通じて会社の健全な成長を支える重要な役割を担っています。
まず中核となるのは、月次、四半期、年次の決算業務の統括です。経理チームを率いて、日々の経理処理から決算に至るまでのプロセスを管理します。上場企業は、正確さだけでなく、スピードも求められます。月次決算であれば翌月10日までに、四半期決算なら45日以内に確定させる必要があります。その過程では、経理スタッフの育成やタスク配分、進捗管理など、マネジメント力も試されます。
また、上場企業ならではの業務として、ディスクロージャー関連の業務があります。四半期ごとの決算短信や有価証券報告書の作成・開示は、経理部マネージャーの重要な責務です。これらの開示資料は投資家の投資判断に直結するため、正確性はもちろん、会社の状況を適切に伝えるための表現力も問われます。IRミーティングでは、経営陣をサポートするために財務データの説明資料を作成することもあるでしょう。
新興企業では成長のための経営判断が頻繁に求められるため、経営管理指標の設計と分析も重要な仕事です。売上や利益だけでなく、顧客獲得コスト、顧客生涯価値、リピート率といった、ビジネスモデルに合わせたKPIを設計し、定期的に測定・分析して経営陣に提供します。「この新事業に投資すべきか」「価格戦略はどうあるべきか」といった経営判断の材料を、数字に基づいて提供するのです。
監査法人との折衝も欠かせません。半期レビューや年度監査に際して、監査法人からの質問や指摘に適切に対応し、円滑な監査の実施をサポートします。会計基準の変更や新たな取引に対する会計処理の検討なども、監査法人と協議しながら進めます。
内部統制の整備・運用も重要です。J-SOX対応として、財務報告に係る内部統制を評価・報告する体制を維持し、必要に応じて改善を行います。コンプライアンス体制の強化は投資家からの信頼獲得にも直結するため、「やらされ仕事」ではなく、企業価値向上のための重要な取り組みとして認識されています。
新興企業ならではの面白さとして、システム導入や業務改善のプロジェクトをリードする機会も多いでしょう。成長過程の企業では、業務プロセスやシステムが未整備な場合も多く、経理部マネージャーとして効率化や自動化を推進する役割も担います。経理業務の効率化は、コスト削減だけでなく、より戦略的な業務に時間を割くための重要な取り組みなのです。
新興上場企業の経理部マネージャーというポジションは、経理・財務のプロフェッショナルとしてのやりがいと成長機会に満ちています。その魅力は大きく分けて5つあります。
新興上場企業は、その名の通り成長途上にあります。四半期ごとに売上が伸び、新しいビジネスが生まれ、組織が拡大していく——そのダイナミックな変化を、誰よりも早く数字で捉えることができるのが経理部マネージャーの特権です。経営会議で前年比120%の成長を報告するとき、その数字の背後にある会社の成長とチームの努力を実感でき、大きな充実感を得られます。
大手上場企業の経理部門では、担当業務が細分化され、全体像が見えづらいことがあります。しかし新興企業では、経理部マネージャーは財務の司令塔として、経営判断に必要な情報をダイレクトに提供する役割を担います。「この新規事業の投資回収期間は?」「海外展開のリスクとリターンは?」といった経営陣からの問いに、数字で答えを出し、意思決定をサポートする。その影響力の大きさは、他の職種ではなかなか味わえないものです。
新興企業の経理部マネージャーは、会計・税務のスペシャリストにとどまりません。IR活動を通じて投資家とのコミュニケーション能力を磨き、予算策定・管理を通じて経営戦略を学び、内部統制の整備を通じてガバナンスの知見を深める——そうした多様な経験が、将来のCFOや経営幹部としての土台を築きます。また、チームマネジメントやプロジェクト管理など、ビジネスパーソンとして普遍的なスキルも磨けます。
経理部マネージャーとしての実績は、将来のキャリアの選択肢を大きく広げます。社内でのキャリアアップはもちろん、より大きな企業へのステップアップ、あるいはCFOとして別の成長企業に参画するなど、様々な道が開けています。実際に多くの経理部マネージャー経験者が、その後CFOや管理部門長として活躍しています。
上場直後の企業は、投資家向けの情報開示の充実や内部統制の強化など、様々な変革期を迎えます。その変化の最前線に立ち、企業の「大人化」を財務・経理の面からリードできることは、貴重な経験になるでしょう。
大手・老舗企業の経理部門と比較すると、新興企業では業務が標準化されていない分、自分で考え、創り上げていく部分が多いのも特徴です。「前例がない」ことを制約ではなく、むしろチャンスと捉えられる人にとって、新興上場企業の経理部マネージャーは最高の舞台になるでしょう。
決算・開示関連
内部統制・ガバナンス
予算・管理会計
組織・マネジメント
決算・開示関連
税務
株主総会準備
監査対応
株主総会対応
決算・開示関連
配当・株式
税務
決算・開示関連
予算・管理会計
内部統制
組織・マネジメント
決算・開示関連
予算・管理会計
税務
プロジェクト
決算・開示関連
予算・管理会計
内部統制
監査対応
決算・開示関連
予算・管理会計
税務
組織・マネジメント
決算・開示関連
内部統制
予算・管理会計
資金計画
決算・開示関連
予算・管理会計
税務
組織・マネジメント
決算・開示関連
予算・管理会計
内部統制
税務
決算・開示関連
予算・管理会計
組織・マネジメント
内部統制
決算・開示関連
予算・管理会計
内部統制・ガバナンス
組織・マネジメント
日次業務
週次業務
月次業務
新興上場企業の経理部マネージャーは、限られたリソースで法定開示義務と経営管理の高度化という二つの要求に応える必要があります。特に上場後1〜3年は、上場前の体制から上場企業としての本格的な体制への移行期間であり、業務プロセスの標準化・システム化・内部統制の強化と並行して、投資家向け情報開示の質向上や経営判断支援機能の強化など、多方面での能力発揮が求められます。
上場企業にとって、適時・適切な財務情報の開示は最も基本的な義務であり、市場からの信頼を得るための必須条件です。特に新興上場企業は投資家からの注目度が高く、開示の質が企業評価に直結します。
実施上のポイント
新興上場企業は急成長フェーズにあることが多く、限られたリソースを最適配分し、成長機会を逃さない経営判断が求められます。経理部マネージャーは「数字の作成者」にとどまらず、経営の意思決定を支援する経営管理基盤の構築者としての役割が重要です。
実施上のポイント
上場企業として、財務報告の信頼性確保のための内部統制の整備と運用は不可欠ですが、新興企業にとっては急成長に内部管理体制が追いつかないリスクがあります。過度に硬直的な統制でビジネスのスピードを損なうことなく、効率的かつ実効性のある内部統制体制を構築することが重要任務となります。
実施上のポイント
新興上場企業の経理部マネージャーは、上記3つの重要任務のバランスを取りながら、限られたリソースで最大の効果を生み出すことが求められます。特に、「正確性・コンプライアンス」と「俊敏性・スピード」の両立が常に課題となります。
また、これらの任務を遂行する上で特に重要なのは、経営層との信頼関係構築、事業への深い理解、チーム育成、そして自身のリーダーシップとクリティカルシンキング能力です。新興企業の成長フェーズに応じて、これらの任務の重点も変化していくため、常に先を見据えた体制構築が求められます。
新興上場企業における経理部マネージャーの報酬水準については、企業規模、業種、個人のスキル・経験、企業の成長ステージなどにより変動します。公開情報から得られる一般的な水準を以下にまとめます。
年間総報酬(目安)
報酬構成
個人要因による差
成長段階による特徴
インセンティブ設計の特徴
新興上場企業の経理部マネージャーの報酬は、企業規模や個人のスキル・経験によって大きく異なりますが、概ね年収500万円~1,000万円の範囲に分布しています。特に近年は、経理部門に対して記録・報告機能だけでなく、経営戦略の策定支援や業務改革の推進など、より高度な役割が期待されるようになっており、それに伴い専門性の高い人材への報酬も上昇傾向にあります。
企業としては、基本報酬に加え、業績連動型のインセンティブや株式報酬を組み合わせることで、短期的な業績と中長期的な企業価値向上の両方にコミットする報酬体系を構築する傾向が見られます。
日本では近年、革新的なビジネスモデルや先進的なテクノロジーを武器に急成長を遂げ、上場を果たした企業が複数存在します。その中でも特に注目されている3社をご紹介します。
概要
特徴
SmartHRは「労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる」というミッションを掲げ、人事労務業務の効率化を実現するサービスを提供しています。入社手続きや雇用契約、給与明細の配布、年末調整など、従来紙や手作業で行われていた業務をデジタル化し、大幅な業務効率化を実現しています。
多くの企業で人手不足が深刻化する中、バックオフィス業務の効率化ニーズを的確に捉え、急速に顧客基盤を拡大。日本企業のDX推進を支援する代表的なSaaS企業として評価されています。
概要
特徴
「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」をミッションに掲げ、個人間取引のプラットフォームとして急成長を遂げました。スマートフォンの普及と結びついた使いやすいUIと、配送システムの最適化により、新たな消費行動を生み出しています。
日本発のユニコーン企業として海外展開も積極的に進め、米国でも事業を展開。2023年にはついに黒字化を達成し、安定的な成長軌道に乗りつつあります。
フリマアプリの枠を超え、金融サービス「メルペイ」を展開するなど、生活インフラとしての地位を確立しつつある点も注目されています。社内のグローバル化を積極的に進め、外国人採用も積極的におこなっています。
概要
特徴
「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションを掲げ、個人事業主や中小企業向けのクラウド会計・人事労務サービスを提供しています。独自のテクノロジーを活用し、複雑な会計処理や法改正への対応をリアルタイムで行うことで、専門知識がなくても直感的に業務ができる環境を提供しています。
設立以来、継続的な成長を続け、顧客基盤は個人事業主から中小企業、さらには中堅企業へと拡大。サブスクリプションモデルによる安定的な収益基盤を構築しています。
会計データを基に金融サービスとの連携を強化するなど、スモールビジネスのインフラとなるプラットフォームを構築する戦略も注目されています。
これらの企業に共通するのは、テクノロジーを活用して既存の業務プロセスを根本から変革し、効率化・最適化を図るという点です。また、サブスクリプションモデルを中心としたビジネスモデルにより、ストック型の収益構造を実現している点も特徴的です。
日本のビジネス環境の変化に合わせて、今後もこうした新興企業の成長・上場が期待されています。
新興上場企業の経理部マネージャーには、会計処理や数値管理以上の役割が求められます。成長ステージにある企業の財務・会計面を統括するリーダーとして、以下のようなマインドセットが重要です。
事業への深い理解と貢献
価値創造への意識
先見性のある計画
コンプライアンスとビジネススピードの両立
短期と長期の視点
詳細と全体像の往復
改善・革新への意欲
チーム育成への責任感
レジリエンス(回復力)
高い倫理基準と誠実さ
確かな専門性と学習意欲
品質へのこだわり
透明性と説明力
社内外の関係構築
フィードバック文化の醸成
新興上場企業の経理部マネージャーには、従来型の「正確な数字を作る管理者」にとどまらず、「経営の意思決定を支える戦略的パートナー」かつ「変革を推進するリーダー」としてのマインドが求められています。
特に重要なのは、コンプライアンスと事業推進のバランス感覚、短期と長期の視点を往復する戦略的思考、そして高い倫理観と変革への意欲です。これらのマインドセットは、急速に変化する事業環境の中で、企業の持続的成長を財務面から支えるための基盤となります。
経理部マネージャーがこうしたマインドを持ち、「数字の管理者」から「価値創出のパートナー」へと進化することで、新興上場企業の成長加速に大きく貢献することができるでしょう。
新興上場企業の経理部マネージャーは、企業の成長と市場要求に対応するために、幅広いスキルセットが求められます。財務・会計の専門知識はもちろん、マネジメント能力やデジタルスキルなど多岐にわたる能力が必要です。以下に主要なスキルを体系的に整理しました。
会計・財務報告スキル
税務・法規制対応スキル
内部統制・リスク管理スキル
経営管理会計スキル
財務戦略スキル
ビジネス理解・支援スキル
チームマネジメントスキル
プロジェクトマネジメントスキル
コミュニケーションスキル
システム活用・DXスキル
データ分析・活用スキル
サイバーセキュリティ意識
国際会計・多言語対応
グローバルコンプライアンス
新興上場企業の経理部マネージャーに求められるスキルは多岐にわたります。伝統的な会計・財務の専門知識に加え、経営戦略への貢献、マネジメント能力、デジタル対応力、そしてグローバル視点が重要になってきています。
特に、急成長する新興企業では、現状の業務を効率的に運営しながら、将来の成長を見据えた財務基盤の構築が求められます。そのためには、日々の業務遂行力と変革推進力の両方がバランスよく必要です。
これらすべてのスキルを一人で完璧に備えることは現実的ではありませんが、自身の強みと弱みを認識した上で、チーム全体でこれらのスキルをカバーし、継続的な学習によって能力開発を進めていくことが重要です。業界・技術・規制環境の変化に対応しながら、これらのスキルを磨き続けることが、経理部マネージャーとしての成功につながります。
新興上場企業の経理部マネージャーになるまでのキャリアパスは決して一つではありません。様々な道筋があり、それぞれに特徴があります。ここでは、主なキャリアパスを逆算して紹介します。
まず、新興上場企業の経理部マネージャーの直前のポジションとしては、以下のようなケースが考えられます。
それでは、各キャリアパスの前段階も含めて、もう少し詳しく見ていきましょう。
このパスでは、大学卒業後に事業会社の経理部門に入社し、段階的にキャリアを積み上げていきます。
このパスの強みは、会社の業務フローや社風を熟知していることで、円滑に業務を進められる点です。一方で、視野が狭くなりがちなため、外部セミナーや資格取得などで積極的に知見を広げることが大切です。
このパスでは、まず大企業で経理の基礎を固め、その後、成長性の高い新興企業にキャリアアップする形で移ります。
このパスの魅力は、大企業で体系的な知識と経験を得た後、新興企業でより大きな裁量と責任を持てる点です。転職の際には、専門性と汎用的なマネジメント能力の両方をアピールすることが重要です。
公認会計士などのケースでは、以下のようなパスが一般的です。
このパスの強みは、会計基準や開示に関する深い専門知識と、多様な企業を見てきた視野の広さです。一方、実務面では経験が限られる場合もあるため、入社後は現場の業務フローをしっかり学ぶ姿勢が大切です。
面白いことに、他部門からキャリアチェンジして経理部マネージャーになるケースも少なくありません。
このパスの強みは、事業を熟知しているため、経営に役立つ管理会計や分析が得意な点です。一方、専門知識の面ではキャッチアップが必要なため、外部の専門家(税理士など)とのネットワークづくりも重要になります。
実際には、これらのパターンが複合的に組み合わさるケースも多いでしょう。大切なのは、自分の強みを活かしながら、必要な経験とスキルを意識的に積み重ねていくことです。経理の専門知識は独学でも身につけられますし、マネジメント能力は様々な場面で磨くことができます。
若手の方に特におすすめしたいのは、まずは基礎となる会計知識の習得(簿記検定などの資格取得)と、小規模でも経理実務の経験を積むことです。そして徐々に視野を広げて、管理会計や財務分析、ディスクロージャーなどの分野にも挑戦していくとよいでしょう。経理の世界は、地道な積み重ねが確実に評価される分野です。一歩一歩、着実にキャリアを築いていきましょう。
新興上場企業の経理部マネージャーとして働くことで、財務・会計の専門性はもちろん、ビジネスパーソンとして幅広いスキルとキャリア展望を手に入れることができます。
まず、専門スキルとして、会計・税務・財務の実務知識が飛躍的に向上します。特に上場企業では、金融商品取引法や会社法に基づく高度な会計処理や開示が求められるため、一般企業の経理担当者よりも深い知識と実践力が身につきます。例えば、連結決算、税効果会計、ストックオプション会計、減損会計などの複雑な会計処理に精通するようになります。また、会計基準や税法の改正にも常にアンテナを張り、自社への影響を分析する力も養われるでしょう。
経営管理のスキルも大きく成長します。予算策定・管理、経営指標の設計・分析を通じて、数字から企業の状態を読み解き、問題点や成長機会を発見する力が磨かれます。「この部門の利益率が低下している理由は何か」「この新サービスの顧客獲得コストは適正か」といった分析を日常的に行うことで、経営者の視点で数字を捉える力が養われるのです。
上場企業特有のスキルとして、ディスクロージャーやIR関連の知見も身につきます。決算短信や有価証券報告書の作成、投資家向け説明資料の準備など、投資家とのコミュニケーションに関わる業務を通じて、「企業の価値をどう伝えるか」という視点を養うことができます。これは将来、経営幹部になったときに大いに役立つスキルです。
さらに、マネジメントスキルも自然と向上します。経理部のチームを率いる立場として、メンバーの育成・評価、業務の割り当て、モチベーション管理など、人を動かすスキルが求められます。特に決算期などの繁忙期には、限られた時間でチームの力を最大化するためのリーダーシップが試されるでしょう。
こうした多様なスキルを身につけることで、キャリアの展望は大きく広がります。まず社内でのキャリアアップとして、CFO(最高財務責任者)や管理部門長への道が開けてきます。新興企業では30代〜40代でCFOに抜擢されるケースも少なくありません。経理だけでなく、財務、法務、人事など管理部門全体を統括する管理本部長として活躍する道もあります。
また、キャリアチェンジの選択肢も多様です。経理マネージャーとしての経験を活かして、より規模の大きな企業へのステップアップも可能です。あるいは、ベンチャー企業のCFOとして参画し、次のIPOに挑戦するという道も開けています。さらに、会計事務所やコンサルティングファームに転じて、多くの企業の財務改善や上場支援に携わるキャリアも考えられます。
特に注目したいのが、経営者としての可能性です。経理・財務は企業活動の全体像を数字で把握できる部門です。事業の収益構造や投資判断の基準を理解している経理マネージャー経験者は、自ら起業したり、経営者として招かれたりするケースも少なくありません。実際、多くの経営者が「経理・財務の経験は経営者になる上で大きな武器になった」と語っています。
このように、新興上場企業の経理部マネージャーとしての経験は、財務・会計のプロフェッショナルとしてだけでなく、経営のプロフェッショナルとして活躍するための貴重な糧となるのです。