学習コラム

【経理初心者】年次決算とは?年次決算の内容と業務の進め方を解説します!

2022/04/25
この記事の目次

はじめに

こんにちは。

上場企業経理部長の経理部IS(Twitterアカウント)です。

前回の【経理初心者】経理に必要なスキルと勉強法を解説に引き続き、今回は「年次決算」をテーマにコラムを執筆しました。

早速ですが、経理では必ず「年次決算」という業務を行います。

経理初心者にとって「年次決算」業務の内容や進め方を理解することはなかなか難しいと思われます。
また、現在経理部門に属していても、「年次決算」の業務に携わっていない場合、具体的にどのような業務を行っているか分からない場合もあると思います。

そこで今回は、経理初心者まだ年次決算業務に携わったことがない方に向けて、「年次決算」の内容と業務の流れについて分かりやすく解説していきます。
「年次決算」の内容や業務の進め方を知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

「決算」とは?

「年次決算」を理解するにあたって、まず「決算」とは何かを確認しましょう。

「決算」とは、大きく次の3つのことです。
・一定の期間における会社の業績、財産の状況を集計すること
・集計した業績、財産の状況が問題ないか分析すること
・集計した業績や財産の状況を書類にまとめ、会社の関係者(※)へ知らせること
※会社の関係者とは、株主や金融機関、得意先、税務署など会社に関わる利害関係者のことをいいます。

このように、一定期間の会社の業績や財産の状況を集計・分析し、その内容を書類にまとめて会社の関係者へ知らせることが「決算」です。

決算には種類がある

決算には大きく分けて2つの種類があります。

「年次決算」
「月次決算」

※上場企業では上記の決算のほかに「四半期決算」も行われていますが、ここでは省略します。


「月次決算」は1か月単位で会社の業績や財産を集計します。

一方、「年次決算」は、1年単位で会社の業績や財産を集計します。
また、「年次決算」には「月次決算」では行わない年1回の業務もあります。



なお「月次決算」については、こちらのコラムで解説していますので、詳細を知りたい方は参考にしてください。

参考:【初心者経理】月次決算とは?その必要性や業務内容、スケジュールまで月次決算の全てを解説します! | CPA learning

「年次決算」とは


ここからは、「年次決算」の内容と業務の流れを具体的に解説していきます。

「年次決算」では、次の業務を行います。
・1年間の会社の業績や財産の状況を集計する
・集計した内容を書類にまとめて会社の関係者へ知らせる

また、昨年と比べて会社の業績や財産の状況がどのように変動したのかを分析し、その分析結果を会社の関係者へ知らせることも「年次決算」の重要な業務となります。

この「年次決算」ですが、会社法という法律で行うことが義務付けられています。さらに法人税法でも、「年次決算」を行って税金計算した後、税金を納付することが求められています。

このように、「年次決算」は法律において義務付けられてもいますので、会社では必ず行わなければなりません。


「年次決算」が必要な理由


では、なぜ「年次決算」を行わなければならないのでしょうか?

その理由は次の通りです。
・1年間の会社の業績や財産の状況を把握し、翌年度以降の事業をどのように進めていくか、経営方針を決めるため
・会社の関係者へ会社の業績や財産状況を知らせるため
・1年間の収益に対する税額を計算し、税金を国や地方に納税するため

会社が将来に渡って継続して事業を行うためには、経営方針をもとに事業の進め方を決定し、会社の状況を関係者へ開示し、税金を納めなければなりません。

つまり、会社が将来にわたって継続して事業を行うために、「年次決算」は必ず行わなければならないのです。


「年次決算」の進め方

さて、「年次決算」業務は具体的にどのように進めていくのでしょうか。
「年次決算」業務の進め方について、3つに分けて解説していきます。

①決算整理

決算整理とは、1年間の勘定科目の残高を確認・整理することです。

具体的には、次のような業務があります。
・現金、預金残高確認
・棚卸資産や固定資産が実際に存在しているかを確認する、現物確認
・売掛金や買掛金といった、債権債務の残高確認

勘定科目残高と残高確認書などの資料で、整合性が取れているかを確認します。
また、棚卸資産や固定資産の場合、帳簿に載っている資産が本当に実在しているかを確認します。確認をして間違いがあれば正しい残高へ修正するなどして、勘定科目の残高を整理していきます。

また、上記の他会計基準で定められている、有価証券の時価評価や棚卸資産の評価(簿価切り下げ)、税効果会計の適用といった処理も年次決算で行います。

②税金の計算


「年次決算」で集計した会社の1年間の業績の結果を踏まえて、税金計算を行います。

税金計算といってもさまざまですが、年次決算では法人税、地方税、消費税といった税金の計算を行い、その計算結果を帳簿に記帳します。

また、税金計算をする際に、それぞれの税金ごとに申告書を作成する必要があります。この申告書を作成したら、国や地方自治体へ提出して税金の納付を行います。

③決算書の作成


「年次決算」では、1年間の会社の業績および財産の状況を書類にまとめ、会社の関係者へ提出しなければなりません。

1年間の会社の業績および財産の状況をまとめた書類は、決算書と呼ばれ、次のような複数の書類を作成します。
・貸借対照表
・損益計算書
・販売費及び一般管理費明細
・製造原価報告書
・株主資本等変動計算書
※この決算書のほかにも、事業報告、個別注記表、勘定科目内訳明細書などといった書類を作成し、会社の関係者へ提出しなければなりません。

1年間の取引を整理し、会社の業績や財産の状況を決算書にまとめるには、決算書を作成する方法を理解しなければなりません。また、決算書を作成するためには時間がかかります。

「年次決算」は、特に決算書の作成が難しく、会計税務の知識も必要であることから、一定の経理スキルを持った人が業務を担当します。


「年次決算」における注意点


「年次決算」で作成した決算書や、税金の申告書は、株主や税務署などの会社の関係者へ提出しなければなりません。
そして、この提出には期限があることに注意が必要です。

例えば、決算書は、会社の監査役が監査を行ったのち、社内手続きを経て、株主総会開催前までに株主へ提出しなければなりません。
また、税金の申告書は、基本的に事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出しなければなりません。

「年次決算」で作成した書類は、会社の関係者に提出しなければならないこと、そして、提出には期限があることを理解しましょう。
※「年次決算」は、提出期限までに書類を作成できるよう、スケジュールをしっかり立てて業務を行う必要があります。


まとめ


今回は、年次決算の内容と業務の進め方について解説しました。

振り返りですが、「年次決算」は、大きく次の2つのことを行います。
・1年間の会社の業績や財産の状況を集計する
・集計した内容を書類にまとめて会社の関係者へ知らせる

そして、「年次決算」は会社にとって重要な業務であり、業務の内容が専門的であることから、経理でも一定のスキルを持った人が対応する必要があります。

経理で年次決算を行えるようになると、一人前の経理担当者といえます。
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数十年に渡り、上場企業とその子会社で経理業務に従事している現役経理マン。転職6回・複数の上場企業での中途採用経験を活かし、経理の転職エージェントを紹介するサイトも運営中。

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