学習コラム

【ネット試験】日商簿記検定2級大問ごとの対策方法

2022/09/16
この記事の目次

1.日商簿記検定2級(以下、簿記2級)の出題形式と特徴

⑴ 出題形式

試験方式は以下のようになっています。

ネット試験の一番の特徴は、試験日程が各テストセンターごとに設定されていて、受験可能な日程が多いことです。

試験を受けた後すぐに、試験の合否が判明するのもとても良い点だと思います。

📍参考:統一試験との比較

統一試験(紙試験)の試験情報は、以下の通りです。

ネット試験と異なる点は、開催日・合格発表・合格証明の3つです。

次に、出題範囲と配点についてです。

第1問、第4問、第5問で60点を取ることができるように配点がされており、これらの問題で点数を稼ぐことが合格へのカギとなります。

⑵ 特徴

ネット試験と統一試験では、出題される仕組みが違います

統一試験は、同じ回を受験する全員が同じ問題を解きます。

しかし、ネット試験は様々な問題の中からランダムに生成された問題を解くため、受験する人によって問題が異なります。

ここで気になるのは、ランダムに問題が出題されることで、人によって難易度が変化してしまうのではないかということだと思います。

ここで、統一試験とネット試験の難易度の違いを見てみましょう。

まず、ネット試験の方が合格率が高いことがわかります。

また、統一試験は試験の難易度にムラがあり、運要素が強い試験となってしまっています。一方で、ネット試験は同レベルの問題がランダムに生成されるため、合格率が安定しています。

そのため、ネット試験の方が合格しやすい試験といえるでしょう。

⑶ 解く順番

ネット試験は好きな順番で問題を解くことができます

そのため、どの問題から解くのが良いか悩んでしまう方もいるでしょう。

そこで、おすすめの解く順番と大問毎の解答時間の目安を紹介します。

問題の難易度やコストパフォーマンスの良さを考えると、第1問、第4問、第5問で満点を取りに行くイメージを持って、試験に挑みましょう。

なぜなら、第2問、第3問はコストパフォーマンスが悪く、頑張って勉強しても半分得点できるかどうか分からないレベルだからです。

以上より、簿記2級に合格するためのカギである以下の2つを意識して、合格を勝ち取りましょう。

①仕訳と工業簿記で点数を稼ぐこと

②すべての問題に手を付けること

2.第1問対策

⑴ 第1問の基本情報・解くコツ

第1問は1題4点の仕訳問題5題出題され、20点分の配点があります。

仕訳問題は短時間で解くことができ、20点分の配点があるため、第1問はコストパフォーマンスが良いです。

第1問の目標としては、1題2分以内に解き、5題中1題以内のミスが目安になるでしょう。

解答する際の注意点として、仕訳は1つの取引につき、すべての勘定科目と金額が合っていて正解になります。つまり、部分点はありません。

また、カンマは不要であることや1題に同じ勘定科目が複数出てくる場合はまとめて記載することには留意しましょう。

⑵ 定番問題を押さえよう

簿記2級の定番問題は、以下の表で紹介します。

この表は頻出問題順に並べていますが、有価証券・純資産の変動・リース取引・固定資産・為替取引の問題は重要論点として出題される可能性が高いです。

そのため、優先順位をつけて勉強しましょう。

⑶ 計算力より国語力 !?

第1問は問題文が長く、日本語が難しいのが特徴です。

そのため、「この問題では何が問われているのか」を読み解くことが合格へのカギとなります。

問題文を読む時には、「”本日”の直後に書いてあることが問題で問われていること」という意識を持ちましょう。また、問題文の中にある日付や金額は一旦飛ばして読み、取引の大きな流れを理解すると良いでしょう。

⑷ 時系列を整理しよう

次に、取引の発生ポイントを整理しましょう。

簿記3級では、1取引で完結する問題が多いですが、簿記2級は複数の段階を踏んで完結する取引が多いため、時系列を整理して答えを導くことが大切です。

また、時系列の整理と並行して、仕訳を書くことができるかが合格へのカギとなります。

簿記2級では、どの時点の仕訳が聞かれても良いように点ではなく線で理解するように心がけましょう。

3. 第2問対策

⑴ 第2問の基本情報

第2問は個別論点(株主資本等変動計算書、連結精算表など)が出題され、配点は20点です。

特定の論点を掘り下げた問題が出題されるため、深い理解力が求められる問題となっています。そのため、問題を解くのにある程度の時間を要するので、解く順番としては最後がおすすめです。

しかし、第2問は部分点を狙うこともでき、時間さえあれば高得点を狙うこともできるので、残り時間に合わせて解き方を変えましょう

⑵ 問題の種類と勉強の優先順位

簿記2級の試験時間短縮によって、一番影響を受けたのが第2問です。

過去に第2問で出題されていた問題は作業量が多く、時間のかかるものでした。しかし、試験時間短縮によって、作業量が多く、時間のかかる問題は出題されにくくなりました。そのため、過去問は問題を解く練習になりますが、本試験対策にはならないので、正しい認識を持って勉強に取り組みましょう。

第2問は、株主資本等変動計算書連結精算表の出題頻度が高いです。

株主資本等変動計算書は、問題の難易度を高くするのに限界があるため、満点を狙うこともできる範囲です。時間に余裕があれば、高得点を狙いましょう。

時間に余裕がない状況で連結精算表を解く場合は、連結精算表の右端の解答欄を直接記入しましょう。なぜなら、連結精算表の採点は右端の解答欄についてのみ行われるからです。つまり、右端以外の欄は、あくまで下書きになります。

また、全論点を解く時間がない状況でも、のれん償却費相殺消去だけでも解くようにしましょう。

このような出題傾向から、簿記2級を勉強する時の優先順位は以下のようになります。

①株主資本等変動計算書→②連結精算書→③その他

株主資本等変動計算書対策の勉強は、仕訳を使って解けるように練習することで、第1問の仕訳問題対策も同時に行うことができます。

また、勉強や下書きで仕訳を使う際には、勘定科目の略名を使って、最大限時短するようにしましょう。(勘定科目の略名に関する情報はこちら

4.第3問対策

⑴ 第3問の基本情報

第3問は、決算問題(財務諸表・精算表・損益勘定など)が出題されます。配点は20点です。

決算問題は、決算で行うべきことを正確に判断し、スピーディーに処理できるかが高得点へのカギとなります。

未処理事項に関する問題は、難易度が高くなる傾向にあります。第3問での満点は難しいですが、部分点を狙って、高得点を取得することもできます。

また、決算整理によって変動した箇所が採点箇所になりやすいです。そのため、見直しを行う時には、決算整理によって変動した箇所に着目して行いましょう。

⑵ 頻出論点とその対策

決算問題には、未処理事項決算整理事項があります。

未処理事項と決算整理事項が連動する問題は要注意です。未処理事項で変動した金額が決算整理事項に影響を与えるパターンが定番問題として出題されます。

記帳漏れ・修正処理・売上原価の算定・減価償却・税効果会計は、応用問題として出題されやすい範囲となっています。

第3問の勉強を行う際には、出題可能性が高い財務諸表の損益計算書を最優先順位に勉強しましょう。

簿記2級で出題される精算表は、非常に量が多く、圧倒的に時間が足りません。そのため、仕訳を書いて問題を解くのではなく、精算表に直接記入しながら解き、解く時間を短縮しましょう。

ここで、問題を解く上での注意点があります。それは科目の表記方法です。

損益計算書(決算書)と損益勘定は異なります。損益計算書は表示科目を使うのに対し、損益勘定は勘定科目を使用します。

例えば、利益を表す科目として、損益計算書は「当期純利益」を使用し、損益勘定は「繰越利益剰余金」を使用します。

第3問は、本支店会計の問題が出ることも多いです。本支店会計は、第1問の仕訳問題でも出題される可能性があるため、決算までの流れをきちんと理解しておきましょう。

⑶ 早く解くコツ

基本的には、今やっている解き方をベースに解くスピードを地道に上げていくことが大切です。

その上で、早く解けるようになるためのポイントをいくつか説明します。

精算書以外の決算整理問題を解くときには、仕訳を書かずに、頭の中で仕訳をイメージしながら問題を解けるようになるとベストです。メモ書きをしながら素早く問題を解きましょう。

仕訳を書く解き方をする場合は、1つの仕訳が終わったらすぐに解答欄に入力していきましょう。すべての仕訳を書いてから解答欄に入力するやり方は、作業的になってしまい、ミスをしてしまう可能性が高いです。

5.第4問・第5問対策

⑴ 第4問・第5問の基本情報

第4問は、仕訳3題個別原価計算・総合原価計算などが出題されます。

配点は28点(仕訳1題4点×3題、個別・総合など16点分)です。

第4問は小問2つで構成されており、1つは仕訳3題もう1つは個別原価計算・総合原価計算などが出題されます。

出題範囲は広いですが、基本的な問題が多く、難易度は高くありません。また、仕訳問題はバリエーションが少ないため、満点を狙いましょう。

第5問は直接原価計算CVP分析標準原価計算が出題される傾向にあります。特に、直接原価計算と標準原価計算の出題可能性が高いです。

配点は12点であり、序盤は簡単で徐々に難しくなる傾向にあります。

⑵ 第4問の傾向と対策

小問1の仕訳問題は、1題4点のため、満点を狙いたいです。

工業簿記は勘定連絡図を理解していることが必要不可欠です。そのため、どのような仕訳をすることで勘定連絡図がどのように変化するのかをしっかりと理解しましょう。

小問2は、個別原価計算単純総合原価計算等級別総合原価計算の出題可能性が高いです。等級別総合原価計算は意外と苦手な人が多いので、要注意です。

総合原価計算は効率的に勉強できるため、それぞれの論点を関連付けて勉強しましょう。

また、工業簿記は計算過程が多いため、電卓のGT機能を積極的に使って効率的に問題を解くようにしましょう。

⑶ 第5問の傾向と対策

第5問は、直接原価計算総合原価計算が出題されやすいです。

少し癖の強い問題も出題されるため、過去問にない問題が出題されても対応できるように、様々な問題を解くようにしましょう。

工業簿記は、公式や図に頼り過ぎずに、きちんと過程を理解して解くことが大切です。理解力を確認するために、ボックス図やシュラッター図を書かずに問題を解いてみると良いでしょう。

6.まとめ

いかかでしたか。

簿記2級に合格するためには、知識とテクニックの両方が必要になります。

今回紹介した各問題の傾向や対策を意識して勉強を行い、合格点を取れるようにしましょう。

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