コロナ禍による環境の変化によるテレワーク化や技術の発展によるペーパーレス化、働き方改革の推進などの結果、経費精算システムを導入する企業が増えました。
数年前までは経費精算システムを導入している企業の分布は首都圏に偏っていましたが、現在は、上述の状況から全国規模で導入が進んでいます。
代表的な経費精算システムは、メジャーな「MoneyForwardクラウド経費」やCMでもお馴染みの「楽楽精算」、大企業向けの「Concur Expense」をはじめ、「RECEIPT POST(旧:Dr.経費精算)」「ジョブカン経費精算」「eKeihi」などが挙げられます。
今回のコラムでは、これらの経費精算システムによる導入のメリットデメリットや注意点、経費精算システムだけでは代替しきれない業務の軽減化について解説していきます。
1.経費精算システム導入のメリット・デメリット・注意点
2022年1月より改正された電子帳簿保存法により、電子での処理及び保存方法がかなり緩和されました。
電子帳簿保存法の改正については、こちらのコラムで紹介しておりますのでご参照ください。「電子帳簿保存法の改正~経理担当者が知っておくべきこと~」
また、国税庁による説明資料は次の通りです。国税庁PDF
電子帳簿保存法の改正~経理担当者が知っておくべきこと~のコラムでは、国税庁の説明資料の重要な部分を嚙み砕いて説明しておりますので、どうぞご覧になってください。
① 経費精算システムの導入によるメリット・デメリット

経費精算は、比較的専門知識が無くてもできるルーティーンワークという側面があるため、経理担当者の工数がそこに割かれてしまっているのは勿体ない状況と言えます。
経理担当者は本来、会社の財政状態や業績を適時に作成し、財務情報を経営陣に届けることで会社経営のサポートをすることに真価があり、素早い決算処理が肝要となります。
仮に経理担当者が毎月何千枚以上も申請される経費の処理をしている会社があるとすれば、その会社は金銭的なコスト以上のデメリットを抱えている状況と言えますね。
経費精算システムは定型的な業務の負担を軽減させるのに有効な手段ですので、上記のことを勘案して検討してみると良いかもしれません。
② 注意点
次に、経費精算システムを導入する際の注意点について説明していきます。
経費精算システムを導入したとはいえ、経理部門で必要な作業が完全に無くなる訳ではありません。
機械的な作業のところは、経費精算システムにて代替できるものの、人の判断が伴うところはシステムに完全代替することは難しいからです。
そのため以下の通り、証憑突合を行い、最終チェックをする必要があります。

よって、上記のような最終チェックが必要な作業は残ってしまいます。
できれば、最終チェックが必要な作業も軽減したいですよね。
次の章では、人の判断が必要になる業務をどう軽減していくかについて説明していきます。
2.人の判断が必要になる作業の軽減
まず、突合作業などの人の判断が必要になる作業自体を無くすことは現状難しいため、ある程度の軽減であればできる、というイメージです。
具体的には、部分的に他部門に委託する、もしくはアウトソーシングすることである程度の軽減を図ることができます。
部分的に他部門に委託する、もしくはアウトソーシングする場合の方法と注意点を以下にまとめました。

コストパフォーマンスが見合えば、アウトソーシングの方が圧倒的にメリットがありますね。
尚、補足ですが、クラウドソーシングやアウトソーシングの場合は、経費精算システムとの併用を前提に説明しています。
「システム導入とアウトソーシングはどちらか一方が一般的だろう」というイメージを持たれがちです。
実際は、「アウトソーシングの委託先が自社で導入している経費精算システムを利用して、そのシステムの運用代行をする」ケースが多いです。
3.最後に
電子帳簿保存法の改正に伴い、経費精算システムの導入を検討された企業は多いかと思います。
経費精算システム導入により得られるメリットは非常に多いです。
しかし、導入したからといって、経費に関する業務がすべて自動化されて経理担当者の負荷が100%無くなることはないです。
もし、経費精算システムを導入した場合には、次のステップとして、残ってしまっている業務や新たに発生する業務をどう軽減していくかを検討することが必要です。
この記事がその際の助けに少しでもなれたなら幸いです。
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