学習コラム

2023年10月にインボイス制度施行~制度の概要と対応事項を知ろう~

2022/2/2
この記事の目次

2018年(令和元年)10月1日の消費税増税によって、軽減税率の運用が始まりました。

この増税に伴い、2023年(令和5年)10月1日からは、インボイス制度という制度が始まります。もちろん、経理担当者の皆さんが対応すべき事項も生じてしまいます。


そこで、今回のコラムでは、以下の流れでインボイス制度についての実務面で必要になる情報を説明します。


1.インボイス制度とは

2.知っておくべき用語

3.インボイス制度から控除される取引

4.インボイス制度により経理業務はどのように変わるか



1.インボイス制度とは


益税とは、消費者が事業者に支払った消費税の一部が、納税されずに事業者の利益になることを指します。消費者は事業者が免税事業者であるかに関わらず消費税を支払うため、相手が免税事業者だった場合にこのような事象が生じます。


具体的な内容について、深堀りしていきます。


① 概要


そもそも「インボイス」とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものを指します。


具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「税率ごとに区分した消費税額等」の記載が追加されたものを言います。


(イメージ図)

(出典:国税庁ホームページより)


また、インボイス制度の正式名称は「適格請求書等保存方式」です。


”・ 売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(保存の義務もあり)。

 ・買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイスの保存等が必要となります。”

(出典:国税庁ホームページより)


以上の通り、適格請求書(インボイス)の運用について、登録事業者であるかなど指定された項目を請求書に記載するという必須要件が明示されました。



② 目的


本制度の目的は、軽減税率の導入を踏まえて、「正しい税額と税率」で取引しているかどうかを明確にし、適切に平等に税金を納めることです。


取引の透明性を高めることと合わせて、現在の制度で問題視されている「益税」の解消も目的のひとつと言えます。


益税とは、中小企業の救済措置も含めて、消費者が事業者に支払った消費税の一部が納税されずに事業者の利益になってしまうことです。


引用:ニッセイ基礎研究所「インボイス方式導入による益税の抑制-免税事業者への影響と今後の消費税の公平性確保に向けて



2.知っておくべき用語


それではインボイス制度を語る上で知っておきたい用語を理解しておきましょう。

 


適格請求書について

以下の通り、改正の度に記載の変更が生じています。

より細かく記載をさせることで、平等に適正に消費税が納められるようにしています。



2 引用元:国税庁「消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式が導入されます



3.インボイス制度から控除される取引


以下、国税庁のサイトよりインボイス制度より控除される取引について記されています。

(出典:国税庁「2 交付義務の免除」)



4.インボイス制度により経理業務はどのように変わるか


インボイス制度が開始される際に企業として、経理担当者の対応が必要な事項について解説します。


◆課税事業者の場合


① 適格請求書発行事業者としての登録


適格請求書を発行するためには、適格請求書発行事業者としての登録が必要になるため、2021年(令和3年)10月1日~2023年(令和5年)10月1日までに登録申請書を提出する必要があります。

(出典:国税庁「リーフレット」)


② 発行する請求書の書式変更


制度に従って、項目を網羅できるような書式の確認・変更が必要です。

現在会社に導入しているシステムで対応ができない場合、システムの入れ替えを検討する必要があります。


そのため、アップデート情報の確認、もしくは、システム提供会社へ早めに問い合わせをしておきましょう。


③ 仕入れ先の検討


仕入先が免税事業者の場合、適格請求書を求めることができないため、仕入税額控除を受けることができません。


そのため、場合によっては仕入先を課税事業者に変更するかの検討が必要になります。

中には、この改正を機会に課税事業者に変更する免税事業者も出てきますので、取引に応じて状況や意向を確認しておきましょう。


免税事業者の方が課税事業者に変更しない場合は、仕入先を課税事業者に切り替えるかなど会社としての方針や現場部門への通達が必要になります。


④ 請求書の管理方法を検討する


仕入税額控除を受けられる請求書とそうでないものは別々に処理や管理をする必要が生じるため、仕入先に課税事業者と免税事業者の双方がある場合は、請求書のチェックや管理体制を見直す必要があります。

社内の運用フローを再考するなどの対策を取りましょう。


◆免税事業者の場合


課税事業者になるかの判断が必要になります。

インボイス制度の開始に伴い、免税事業者であり続ける場合は取引先から取引を中止される可能性があります。

そのため、現在の取引先の状況だけではなく、会社の未来を見据えた早期の判断が必要と言えるでしょう。


なお、課税事業者に切り替える場合の手続き方法はこちらをご参照ください。


また、免税事業者からの仕入税額控除は、以下の通り、段階的に廃止されることが決まっています。


控除率の段階的な引き下げ


・2023年(令和5年)9月30日まで:100%控除

・2023年(令和5年)10月1日~令和8年(2026年)9月30日:仕入額相当額の80%

・2026年(令和8年)10月1日~令和11年(2029年)9月30日:仕入額相当額の50%

・2029年(令和11年)10月1日から:完全廃止

(出典:国税庁「消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式が導入されます」)


課税事業者になる場合は、会計処理の変更等も伴うため、適格請求書の書式に対応できるかの確認作業として会計システムの見直しを行うことが大切です。

 


5.最後に


インボイス制度によって取引の透明性が高まり、皆が平等に、適正に、消費税を納める仕組みが整おうとしています。


一方で、取引先を選定するにあたって、与信情報やコストメリット、取引実績だけではなく、課税事業者か否かという判断基準を採用する企業も増える見込みです。


インボイス制度導入に伴って、請求書の書式や請求書の管理方法、仕入先及びシステムの見直しなど対応を迫られることが盛り沢山になると言えます。


上述のように多くの対応に迫られることが予め分かっているため、早めにインボイス制度導入対応に取り組むことによって、施行後に社内の混乱がないよう今のうちから対処することが肝要かもしれません。



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