現状は、統一試験(筆記試験)よりもネット試験の方がより合格しやすいと言えます。
当コラムでは、その理由について直近の合格率や試験の特徴を深堀しつつ、考察していきます。
1.合格率の比較
①日商簿記3級
筆記試験 :28.90%
ネット試験:43.06%


②日商簿記2級
筆記試験 :24.00%
ネット試験:45.85%


2.特徴
① 日商簿記3級
ネット試験の試験時間が60分のため、試験時間を統一すべく、筆記試験も第158回から60分となっています。
第158回筆記試験では、試験時間の短縮に伴って問題数を減らすべきところ、問題数はあまり減らされておらず、時間の割には多かったです。つまり、現段階では試験時間と筆記試験における問題数の対応が上手くできていない印象です。
ネット試験はその点、試験時間に適した問題数となっており、合格率にもブレがほとんど生じていないため、今受けるならネット試験の方が合格しやすいと言えます。
② 日商簿記2級
こちらも日商簿記3級と同様に試験時間が短縮され、第158回から筆記試験の試験時間が90分となっています。
筆記試験での合格率平均は約20%とかなり低いものでしたが、ネット試験での合格率は約45%というかなり高い水準で推移しています。
ネット試験の合格率が大きく上昇した大きな要因は、試験時間が120分から90分に減少したことで、問題量や解答すべき箇所が大きく減ったことだと言えます。
商業簿記と工業簿記をある程度出題しながら、試験時間が90分しかないと考えると、そこまで深堀するような問題が出せなくなったと考えられます。
ネット試験では、深堀するような問題よりも全体像を理解できているか?が問われる基本的な問題が増えてきています。
一方で、筆記試験ではまだ試験時間と出題問題数の対応が上手くできていない印象です。
ネット試験はその点、試験時間に適した問題数となっており、合格率にもブレがほとんど生じていないため、今受けるならネット試験の方が合格しやすいと言えます。
3.最後に
ここまで記事を読まれた方は、ネット試験の方が合格しやすい状況にあるということが分かりましたね。
試験制度の変更(ネット試験に対応させた時間の短縮)があった直近の筆記試験では、問題数はさほど変わっていないにもかかわらず、時間だけが大幅に減っている印象です。
一方で、ネット試験は時間の短縮に伴い、問題数が適切に調整されており、且つ、難易度も以前に比べて解きやすい傾向になっています。
ネット試験においては、難易度の高い問題を解ける能力よりも、限られた時間内でより正確に解答を導き出すことが求められていることが分かります。
なお、合格率に差が出ているものの筆記試験における合格とネット試験における合格の価値は全く変わりません。
ぜひこの機会にCPAラーニングを駆使して日商簿記検定合格を掴み取ってください!
関連記事
・ネット試験の解き方は?
・ネット試験とは?
・ネット試験と筆記試験での合格の価値は変わる?(近日公開)