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「AI時代における会計ファイナンス人材の可能性と魅力」開催レポート

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インタビュー


AIが爆速で進化を続ける今、多くのビジネスパーソンが「自分の仕事は淘汰されるのではないか?」という不安を抱えています。高度な専門知識を武器とする会計ファイナンスの専門家であっても、漠然とした危機感から目を背けるのは難しいのではないでしょうか。

しかし、本当に考えるべきことは「AIに仕事が奪われるか否か」ではありません。「AIによって人間の役割がどう再定義されるのか」にあります。

2026年5月31日、日曜の夜にも関わらず同時視聴者が4,100人を超えた、CPAエクセレントパートナーズ株式会社主催のライブ対談「AI時代における会計ファイナンス人材の可能性と魅力」。経営者の国見健介、実務家出身の吉田悠人、教育のプロである福田雄介の3名が、AI時代における専門家の生存戦略を前向きに深掘りしました。

本稿では、2時間45分を超えて熱く語り尽くされた対話から導き出された『AI時代を生き抜くためのキャリア戦略』を、4つの章に分けて解説します。

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【本セッションの登壇者】

国見健介(CPAエクセレントパートナーズ代表取締役) 経営者視点から、時代が変わっても揺るがないビジネスの本質を提示する。



吉田悠人(CPA会計学院 USCPA・USCMA講座講師) 日米の事業会社・テック企業でファイナンス責任者を歴任。実務で起きているAI代替の肌感覚を語る。



福田雄介(CPA会計学院 公認会計士講座講師)大手監査法人出身。テクノロジーが「人間の成長・学びのプロセス」に与える影響と、若手が磨くべき基礎体力を説く。

第1章 自動化される「7割の内側」と、人間が輝く「3割の余白」

議論の冒頭、国見は私たちが日々向き合う業務のポートフォリオを、「AIに委ねるべき7割の内側」と「人間が真価を発揮する3割の外枠」という構造で切り出しました。

ここで言う7割の内側とは、再現性があり、ルールに則って正解を導き出せる定型業務のことです。大量の領収書を読み込んで自動で仕訳を切るようなタスクにおいて、人間がどれほど熟練しようとも、AIの処理スピードと正確性の前には勝負になりません。

しかし国見は、「本当に注目すべきは、外側に残された3割の余白、すなわち無数の変数が絡み合い、正解が一つに定まらないグレーゾーンの領域にある」と主張します。

その一例として挙げられたのが、M&Aにおける企業価値評価です。AIに財務データを読み込ませれば、瞬時に数パターンのシミュレーションを弾き出してくれますが、実際のM&Aはそこからが本番です。売り手と買い手の将来のビジョン、企業文化の相性、価格以外の複雑な契約条件など、数字には表れない当事者の本音や感情を調整し、合意を形成していくプロセスは人間にしかできません。国見は経営者の視点で、次のように語ります。

国見「人間は決して理屈だけで動いているわけではありません。『この人は信用できそうだな』といった、感情や感覚的な部分も含めて最終的な判断を下すものです。そうした複雑な変数まで含めてAIに結論を出してもらうのは、やはり不可能な話だと思っています」



これを受け、実務の現場を知る吉田も、AIがどれほど進化しようとも人間にしか価値が出せない領域が明確に残ると同意します。

吉田「私は、人間に残る仕事は二つあると考えています。一つは高度な判断が伴う業務、もう一つは高度なコミュニケーションが伴う業務です。相手の性格や立場を考慮しながら伝え方を最適化していく。そうした合意形成のプロセスは人間にしかできません」

AIの進化によって、「正解を出すだけの作業者」の価値が下がる一方、専門知識をOS(土台)として使いこなしながら、正解のない複雑な利害関係の調整に取り組む人材の希少性はむしろ高まっていく。この構造転換は、教育の現場にも大きな一石を投じています。

福田「AIに淘汰されない2〜3割の領域で活躍するために必要な要素について、私も一人の講師としてお二人の見解に同意します。AIによって専門知識を効率的に学べるようになるからこそ、その先の領域で活きる構造把握力や言語化能力といったソフトスキルをどう身につけるかが、これからの時代の本当の勝負になります」

第2章 一次情報の処理から「コンテキストの解釈」へのシフト

では、実際のファイナンスの現場ではどのような変化が起きているのでしょうか。吉田は、AIによる業務の代替が決して未来の予測ではなく、すでにリアルな変革として足元で起きていると指摘します。

これまで上場企業のファイナンス部門などでは、膨大なデータを集計し、Excelを駆使して増減分析を行い、経営陣や投資家向けに資料にを制作する作業に膨大な時間が割かれてきました。しかし現在、こうした一次処理と資料作成の大部分は、AIツールによって従来の10分の1、あるいは100分の1の時間で完結するようになっています。

吉田「かつてはExcelを駆使して夜な夜な行っていたような作業も、今やAIを使えば一瞬で完了してしまいます。しかし、AIが弾き出した異常値が本当なのかどうかは、ビジネスの実態や経営環境の変化を知る人間が、中身を見に行かないと判断できません」



吉田が語るように、データの処理と可視化をAIが瞬時に行ってくれる時代だからこそ、人間に求められるのは「コンテキスト(背景・文脈)の解釈」へとシフトします。

例えば、AIの分析によってある勘定科目に異常値が検出されたとしても、それが一時的な大口取引によるものなのか、単なるエラーなのかは数字の羅列だけでは読み取れません。実態と照らし合わせて「これが本当に異常なのか」を読み解き、最終的なジャッジを下すことは、依然として人間にしかできない高度な業務なのです。

こうした実務の変化を受け、国見は「だからこそ、大前提となる専門知識の価値がこれまで以上に重要になる」と言葉を重ねます。

国見「AIが定型業務をこなせるようになっても、専門知識を学ぶ必要性はむしろ高まります。AIが出した結論の裏側にあるロジックを理解し、その先の高度な判断を下したり、ビジネスに紐づけて説明したりするためには、確固たる専門知識の土台が不可欠だからです」

こうした知識の重要性を受け、教育のプロである福田は、テクノロジーの進化によって専門知識のインプット自体が極めて容易になるからこそ、「効率化と引き換えに失われるリスク」に目を向けるべきだと、教育者としての警鐘を鳴らしました。 

福田「AIの進化によって学習のパーソナライズ化が進み、専門知識を効率的に学ぶことは驚くほど容易になります。しかし、ここで一つ懸念があります。本来なら、あーでもないこうでもないと試行錯誤し、苦戦しながら問題を構造的に把握したり、自分の頭の中のモヤモヤを言語化したりするプロセスの中でこそ、本当に現場で活きるソフトスキルが養われるものです。テクノロジーによる効率化と引き換えに、そうした『試行錯誤する学びの機会』が薄まってしまうことには危機感を持っています」

第3章 残酷に差が開く時代。プロフェッショナルはどう動くべきか

AIが様々な作業を担っていく現実を前に、私たちは具体的にどのようなキャリア戦略を描くべきでしょうか。3名の対話から見えてきたのは、決して現状を憂うものではなく、むしろ「個人の市場価値を爆発的に高めるチャンス」という、極めて攻めの生存戦略でした。

まず吉田は、実務家の視点から、AIの台頭を「自分のキャリアを戦略的に拡張する絶好の好機」と捉えています。

吉田「会計ファイナンスの専門知識は本当に幅広い場所で使えるスキルです。私自身、この強固なコア(核)があったからこそ、経理やIR、コーポレートファイナンス、講師としてのマーケティングや新規事業開発まで、多様な経験を積むことができました。コアとなる専門性に少し周辺のスキルを付け足すだけで、自分の活躍できるフィールドはいくらでも滲み出ていく。非常に汎用性の高いポータブルスキルだと肌感覚で実感しています 」

このように個人が職域を拡張していく上で、経営者の国見は「組織の中での振る舞い方」にブレイクスルーのヒントがあると指摘します。専門知識に引きこもるリーダーと、自ら枠を飛び越えるリーダーの間には、経営者の目から見て決定的な差が生まれると言います。

国見「これからの時代、高度な判断やコミュニケーションができるようになるためには、やはり色んな業務に挑戦することが第一です。同じ組織にいても、新規プロジェクトが立ち上がったときに手を挙げてみる。あるいは事業サイドの経験を積んでビジネスを理解した上で、改めてコーポレート側を見る。そうした多様な経験や、チームで意見をぶつけ合いながら動く泥臭い経験をたくさん重ねることでしか、ビジネスの深い理解や、人や組織に対する強さは磨かれません 」

しかし、こうした能動的な職域の拡張や越境ができる人間がいる一方で、大半の人間が自動化の波に飲まれていくという残酷な二極化が進みます。教育の現場で学生や若手実務家を見つめ続ける福田は、この格差の正体は能力の差ではなく、「組織と個人の関係性の激変」に気づいているかどうかの差であると、極めてシビアな現実を突きつけます。

福田「これからの時代、実力差の本質は、当事者意識の差です。定型業務が自動化された今、組織は受動的な人間を勝手には育ててくれません。『仕事が楽になった』と利便性に甘んじていると、気づいた時には、何年経っても自らジャッジが下せない『中身が空っぽの若手』になってしまう。組織に依存せず、自分で自分の課題を見つけ、負荷をかけにいく自立的なスタンスを持てるかどうかが、サバイバルの絶対条件になります」

第4章 ライブQ&A。ビジネスパーソンが抱く葛藤に回答

セッションの後半では、視聴者から今後のキャリアに直結する生々しい質問が次々と寄せられました。その中から、多くのビジネスパーソンが直面する2つの葛藤をピックアップし、3名の掛け合いを通じて解決の糸口を探ります。

Q:監査法人の業務に限定した場合、本当に人間がAIに勝てる部分は残るのか?

国見「監査でも高度な判断が必要な業務はたくさんあります。例えば、海外の子会社のガバナンスが本当に機能しているかは、データや文章だけでは分かりません。人間には『何かおかしい気がする』と察する力があります。そんな監査業務が全部AIに置き換わるなんていうのは、監査にプライドを持っているすべての人に失礼な意見だと私は思っています」

吉田「AIができることは、システム上のデータを読み取って分析すること以上の何物でもありません。しかし、実務には白黒つかないグレーゾーンが山ほどあります。そのグレーの中で、白なのか黒なのかを判断するのは、クライアントのビジネスを深く理解している監査人にしかできない仕事です」

福田「実務に出るとよく分かりますが、監査の中で大事なのは圧倒的に『人対人』の仕事です。相手から情報を入手し、監査を進めていくための経営者とのディスカッションなど、監査手続の中で最も高度なのはクライアントへの質問やコミュニケーションです。座学のイメージよりも、ずっと人間的な領域が多いのです」

Q:定型業務が自動化されたら、若手はどうやって基礎体力を磨けばいいのか?

国見「便利になったときに失うのは『若手の教育』です。これはプロフェッショナルファームや我々のような教育機関が、新しい育成プログラムを模索して用意していく必要があります。ただし短期的には、社会全体が『育成が間に合わないから経験者だけを取ろう』という動きになりつつあるため、若手にとってみたら結構厳しい時代とも言えます」

吉田「もし自分が今若手なら、あえて自分で資料を作ってみます。AIにお願いすれば5分10分でできるものを、あえて自分で手を動かしてローデータを見に行く。そうすることで『ビジネスの現場の実態はこうなっているんだ』という深い理解ができ、それが将来、高い判断力を持つための経験値になるからです」

福田「体制が整うまでの過渡期は、完全に若手側の姿勢次第になります。前のめりな姿勢やハングリー精神を持った人間が、むしろこの時代だからこそショートカットして、4年目、5年目のキャリアへ一気にアクセスできるチャンスが与えられている。若手はポジティブにこの環境を活かすべきです」

総括:AIを「最強の相棒」に。自らの役割を再定義し続ける者が生き残る

約3時間に及んだ対話の締めくくりとして、3名の登壇者はリアルタイムで視聴し続けた参加者へ、明日からの指針となる熱いラストメッセージを贈りました。 

福田「今後AIに淘汰されていく業務領域がある中で、何が残るのか?何を残すべきか?本当に大切なものは何か?そこにアンテナを張り、この時間まで真剣に耳を傾けてくださった皆さんは、非常に強い危機感を持っているはずです。その危機感こそが何より強力なマインドセットであり、時代を生き残るための条件になります。変わっていくことを恐れず、不安半分、楽しみ半分という前向きな気持ちで、社会のすべての変化に一緒に適応していきましょう」

吉田「AI時代に今後何が起きるかは誰にも分かりませんし、私たちの話も唯一の正解ではありません。だからこそ、最後は自分自身で判断し、決断していくことが必要であり、それこそが人間にしかできない役割です。そのジャッジの拠り所として、会計ファイナンスの専門知識は強力な武器になります。ぜひ、ご自身の持つポテンシャルを信じてください」

国見「ただなんとなく不安を膨らませて立ち止まる人と、こうして主体的に学び、新しい世界観を知ろうと一歩を踏み出す人の間には、すでに決定的な差が生まれています。この激変期において、現状維持の枠を飛び越えるための圧倒的な行動量こそが、格差をチャンスへと変える唯一の武器です」

経営のリアルから最新のAIツールとの付き合い方、さらには「火星担当CFO(?)」という未来予想まで、テキストでは書ききれなかった熱量と、3名のここだけの本音の掛け合いのすべては、ぜひ動画本編でお確かめください!

CPAエクセレントパートナーズ株式会社は、会計ファイナンス人材に貢献するインフラ企業として、学び、キャリア、人材交流というすべての側面から、皆様がプロとして生涯輝き続けるための挑戦を全力で応援し、サポートし続けます。

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#AI #会計ファイナンス #会計ファイナンス人材xAI #国見健介