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米国公認会計士(USCPA)

公開日: | 更新日:
資格紹介

グローバルで活躍できる会計資格の最高峰!

 

米国公認会計士(USCPA: United States Certified Public Accountant)は、グローバルで活躍できる会計・財務のスペシャリスト資格として注目を集めています。この記事ではUSCPA資格の概要から試験制度、メリット、キャリアパスなどを解説します。

資格の概要

米国公認会計士は、会計・財務に関する幅広い専門知識を有することを証明する米国の国家資格です。国際的に通用する資格として、アメリカ国内だけでなく、世界中の企業で高い信頼を得ています。

主な特徴

  • 国際的信頼度: 高い専門性を持つため、特に外資系企業やグローバル企業での評価が高い
  • 業務範囲の広さ: 会計監査、税務、財務戦略、ビジネスアドバイザリーなど幅広い業務で活躍できる
  • 英語力も証明可能: 試験は全て英語で行われるため、英語スキルも証明できる
  • 柔軟な学習と受験環境: 日本国内にいながら受験可能で、スケジュールをコントロールしやすい


米国公認会計士は「グローバルスタンダードの会計資格」として、国際的なビジネスシーンで評価される資格の一つです。

どのような試験制度(受験資格、受験科目、試験頻度、合格率など)

受験資格

USCPA試験の受験資格は州ごとに異なり、一般的には以下の条件が求められます。

  1. 大学の単位要件
    • 州によって異なりますが、通常120〜150単位の大学教育が必要です。
    • 会計学やビジネス関連科目を一定数取得している必要があります。
  2. 専門科目の単位数
    • 会計学や法律、税務、財務などの科目単位が求められます(詳細は各州の要件を確認する必要があります)。

日本国内で取得した学士号でも受験可能ですが、単位不足の場合はオンライン教育等で補完するケースが一般的です。

受験科目

USCPA試験は以下の必須の3科目と選択の1科目の計4科目で構成されています。

必須科目

  1. Auditing and Attestation(AUD):
    • 監査、保証業務、内部統制など。
  2. Financial Accounting and Reporting(FAR):
    • 財務会計(米国会計基準・国際会計基準)、財務諸表分析など。
  3. Regulation(REG):
    • 税務、ビジネス法、倫理規定など。
  4. 選択科目 下記3科目から1科目を選択:

   1) Business Analysis & Reporting(BAR) 

  管理会計・データ分析など。

   2) Information Systems & Controls(ISC)

  IT・内部統制・サイバーセキュリティなど。

   3) Tax Compliance & Planning(TCP)

  税務計画・組織再編など。

試験頻度

米国公認会計士の試験は年中受験可能です(テストウィンドウ制度)。自身のスケジュールに合わせて試験日を設定できます。

  • 各科目を独立して受験できるため、負担を分散して合格を目指せます
  • 試験は日本国内にあるプロメトリック社の試験センターで受験可能です

合格率

各科目の平均合格率は約50%〜60%程度と比較的高いですが、内容は専門性が高く、十分な準備が必要です。

資格をとるのに必要な期間、勉強時間数

必要な学習期間と勉強時間

米国公認会計士の試験では4科目を同時ではなく、1科目ずつ合格を目指すことが一般的です。以下が標準的な期間と勉強時間の目安です。

  • 総勉強時間: 800〜1,200時間程度
  • 1科目あたりの目安:
    • FAR: 約300時間(財務会計は最もボリュームが多い)
    • AUD: 約200〜250時間
    • REG: 約200時間
    • BAR:約150時間~200時間
    • ISC:約120時間~150時間
    • TCP:約130時間~180時間


資格試験全体を通して、1〜2年程度で取得を目指す方が多いです。短期間で集中して学習すれば、1年以内の合格も可能です。

資格取得のメリット

米国公認会計士の資格を取得することで、以下のようなメリットが得られます。

国際的に通用する会計資格を手に入れる

世界で認知されている米国公認会計士は、外資系企業やグローバル組織での評価が非常に高いです。

キャリアアップと高収入が期待できる

特に外資系企業ではUSCPA保持者が高いポジションで活躍しており、年収アップが期待されます。

専門分野のスキルが向上

財務、税務、監査などの専門知識が体系的に学べるため、実務能力が向上します。

英語力の向上

全て英語で試験が行われるため、ビジネス英語能力も自然と習得できます。

向いている人・おすすめしたい人

USCPA資格は以下のような人におすすめです。

  • 外資系企業で働きたい人

    国際資格を持つことで、日系グローバル企業や外資系企業でのキャリアが広がります。
  • グローバルなキャリアを築きたい人

    海外赴任や国際的なビジネスに関心がある方に最適な資格です。日系グローバル企業の海外拠点・子会社で働きたい人にもおすすめです。
  • 会計や財務の知識を深めたい人

    専門分野のスキルを体系的に学びたい方におすすめです。
  • キャリアチェンジを目指している人

    会計実務未経験でも受験可能なので、会計・財務分野へのキャリアチェンジをしたい方にも米国公認会計士の資格取得は有効です。

資格取得後のキャリアパス

取得後は以下のようなキャリアを築くことが期待できます。

監査法人や会計事務所

米国公認会計士の資格を活かして、会計監査や税務アドバイザリー業務で働くことが可能です。英語・US会計基準に強みを持つ米国公認会計士は、特に外資系企業の監査や海外M&A支援で重宝されます。

外資系企業の経理・財務部門

特に財務分析や経営企画の専門性が求められるポジションでの活躍が期待されます。IFRS(国際会計基準)やUSGAAP(米国会計基準)の理解を評価され、海外子会社管理や本社レポーティングを担う可能性もあります。

金融機関やコンサルティングファーム

M&Aや企業戦略のアドバイザリー業務に進むケースもあります。FASや投資ファンドでは、国際取引やクロスボーダーM&AでUSCPAの知識が活きます。

グローバルでの働き方

米国やその他の海外でのキャリアを築くための第一歩になる資格です。

フリーランスや独立

独立して財務アドバイザー、税務コンサルタントとして働くことも可能です。

まとめ

米国公認会計士は、国際的に認められた会計資格として、グローバルな舞台での活躍を目指す方にぴったりの資格です。会計や財務に関する深い専門知識を得られるだけでなく、英語力や国際的な視点を養うことができる点も魅力です。

資格取得には一定の努力が必要ですが、その価値は非常に大きく、転職やキャリアアップの可能性を広げる武器になります。「国際的な会計資格を取得してキャリアの幅を広げたい」「将来的にグローバルで活躍したい」と考えている方は、ぜひUSCPAに挑戦してみてください。

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この記事の監修者
松岡 宏紀の写真

松岡 宏紀

公認会計士

CPAエクセレントパートナーズ株式会社

2007年、公認会計士試験に合格。EY新日本有限責任監査法人にて、監査・アドバイザリー業務に加え、社内外での研修講師や研修プログラムの作成・管理などに従事。現在、CPAエクセレントパートナーズ株式会社において、コンテンツの作成、監修を担当。

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#USCPA #キャリアアップ #グローバル