簿記初級とは?出題内容や簿記3級との違いなどを解説!

簿記初級の画像です

日商簿記検定には、初級という簿記初心者にぴったりの入門資格があります。

初心者向けといっても「どのくらいのレベルなのだろう」「どのように勉強したらいいのだろう」と、わからないことが多く不安になりますよね。

簿記初級が簡単であれば、独学を検討したり、簿記3級から受けてみたいと思ったりしている人も多いでしょう。

そこで今回は、簿記検定を初めて受験する人に、簿記初級の出題内容や簿記3級など他の上位級との違いをくわしく解説していきます。

簿記試験の概要について知りたい、もう一度確認したい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
簿記とは何か、簿記試験の合格率や難易度、必要な勉強時間も徹底解説!

簿記初級とは?

簿記初級とは、日本商工会議所が主催する、簿記の基礎知識が学べる入門級です。

2016年度までは、簿記4級として実施されていましたが、2017年度から簿記初段と名前が変わり、試験会場で行われていた試験が、ネット受験に変更となりました。

複式簿記や財務諸表(貸借対照表・損益計算書)の基礎が身に付き、簿記3級の半分くらいの基本知識が学べるといわれています。

簿記初級の目的

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簿記初段は、簿記の基本的な仕組みを学び、帳簿から情報を読み取る力をつけることが目的です。

簿記3級の勉強を始めたがイマイチ理解できない、社会人になり経理や財務など数字に携わる部署に配属されたが、簿記に関する知識がまったくないという人におすすめの資格です。

また、学生のうちに学校で商業科目を勉強する機会はないが、独学で簿記の基礎知識を身につけたいという人にも、役立つ資格といえるでしょう。

簿記初級の試験概要をチェック

試験概要の画像です

暗記するだけではなかなか知識が身につかない簿記。入門編である簿記初級でも、暗記するだけでは、運よく初級が受かっても、しっかりと仕組みを理解していないと、上位級を目指すことが難しくなります。

簿記の初級の試験内容をチェックしていきましょう。

⑴出題範囲

簿記の基本的な仕組みや複式簿記の記入の仕方などが出題されます。

大きくわけると3つの問題が出題され、第1問は選択式の簿記の基本原理、第2問は仕訳問題、第3問は試算表の問題です。

試験時間は40分で、全国のネット試験会場で行われます。

採点はその場で行われるので、試験終了と同時に合否確認が可能です。

100点満点で、70点以上が合格となります。受験料は2,200円です。

⑵申込方法

受験資格はとくにないため、学歴や実務経験などに関係なく、誰でもチャレンジすることができます。

⑶合格率

簿記初段の合格率は約60%。

簿記4級と呼ばれ、試験会場で行っていた2016年度までは、30~40%と低めでした。

しかし、2017年度から簿記初段と名前が変わり、ネット受験になってから、合格率は上がっています。

引用、https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class-s/effect

簿記初級に合格するために必要な勉強時間は?

簿記3級に必要な勉強時間は、毎日1時間の勉強で1~2ヶ月といわれています。

しかし、これはまったく簿記を勉強したことがないという人の目安です。

少しでも簿記の知識がある、理解するのが早いという人は、短期間の勉強で取得できる資格といえるでしょう。

簿記初級に合格するための勉強方法

初級勉強方法の画像です

簿記初級の勉強方法は、まずは参考書を一通りすべて読んでみましょう。

わざわざ違う参考書を何冊も読んだりする必要はありません。

おすすめ参考書ランキングなどで決めるよりも、手に取ってパラパラと見たときに、自分が「見やすい」「これなら続けられそう」と感じるものを選ぶことがおすすめです。

参考書を読み終わったら、練習問題や過去問題を解いていきます。

ミスした部分を復習し、また問題を解く…を繰り返しましょう。同じミスをしないように、3回ほど復習するといいですよ。

簿記は勘定科目や計算方法を記憶することは大切ですが、暗記問題ではありません。

丸暗記では解けないので、さまざまな問題にチャレンジすることをおすすめします。

簿記初級や簿記3級は入門編なので、丸暗記で乗り切れても、上位級を目指す場合は、基本的な考え方をしっかりと理解する必要があります。

簿記初級は簿記3級と何が違う?

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簿記検定は、基本的に受験資格はとくにありません。何級から受けてもいいため、簿記初心者は、簿記初級と簿記3級、どちらから受験するか悩むところ。

少しの違いであれば、上位級を目指したい、ダブルで受験したいという人もいるのではないでしょうか。

簿記初級は簿記3級と何が違うのか確認しておきましょう。

⑴簿記初級と簿記3級の出題範囲の違いは?

簿記3級では、出題範囲はほぼ同じですが、株式会社会計などが加わり、より深い理解が必要といえます。

簿記3級も大きくわけると3つの問題が出題され、第1問は仕訳問題、第2問は帳簿記入・勘定記入等の問題、第3問は決算整理等の総合問題です。

試験時間も60分となっています。以前は、簿記3級は統一試験(ペーパーテスト)だけでしたが、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、ネット試験が始まっています。

100点満点で、70点以上が合格となります。

引用、https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class-s/point

⑵簿記3級に必要な勉強時間は?

簿記3級に必要な勉強時間は、毎日1時間の勉強で3ヶ月といわれています。簿記初級より出題範囲が増えたため、1.5倍前後の勉強時間が必要なのです。

⑶合格率の違いは?

簿記3級の合格率は、約50%。

簿記初級よりも出題範囲が広くなるため、合格率も少し下がっています。

簿記の上位級を目指したい!1級や2級との違い

1級、2級との違いの画像です

⑴簿記2級との違いは?

簿記2級は、商業簿記の他に工業簿記も出題範囲となります。

工業簿記とは、主に製造業を対象としています。商業簿記はそれ以外の業種です。

工業簿記では、計算方法の理解力が求められるため、丸暗記ではなかなか乗り切れません。

工業簿記にしかない科目として、製品や材料、仕掛品・労務費などがあります。

試験時間は90分で、簿記2級もネット試験が可能となりました。

100点満点で、70点以上が合格。配点は、商業簿記が60点、工業簿記が40点となっているため「工業簿記が苦手だから、商業簿記を重点的にやろう」といったことはできず、避けては通れないのです。

簿記2級からは、合格率も大幅に下がり、20%前後となっています。

勉強時間は300時間必要といわれています。簿記3級の3~4倍は覚悟した方がいいでしょう。

簿記2級は簿記3級・初級と比べて難易度の高い試験ですが、その分簿記2級は評価されやすい資格です。以下の記事では、簿記2級を取得することによるメリットなどを解説しているので、キャリアについて悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
【キャリア】企業で求められるのは簿記2級以上?~3級との違いも解説~

⑵簿記1級との違いは?

簿記1級は、商業簿記・工業簿記に加え、会計学と原価計算もプラスされます。

高度な会計知識が必要となり、経営管理や経営分析を行うことにも役立つため、受験者には税理士や公認会計士を目指す人も多く見受けられます。

簿記1級はペーパーテストのみ。試験時間は180分です。

商業簿記と会計学で90分、工業簿記と原価計算で90分です。100点満点で、70点以上が合格ですが、1科目ごとの点数は40%以上でなくてはいけません。1科目25点の配点です。

工業簿記と原価計算は、第一問目の問題で出した答えを元に、次の問題が出題されるため、最初を間違えてしまうと、すべて不正解になることも。部分点を取るということが難しいのです。

合格率は10%前後。勉強時間は1,000時間前後といわれています。

社会保険労務士や一級建築士と同レベルの偏差値といわれているため、難易度が高いことがわかりますね。

簿記2級までは独学で勉強する人もいますが、簿記1級は通信講座やスクールに通う人も増えています。

簿記1級は、簿記3級や2級の内容を、完全に理解している人でなければ難しいといえるでしょう。

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簿記の知識を正しく「理解」できる

「テキストの問題を何回も解いたのに、試験の問題は解くことができなかった。」

簿記検定に関わらず、今までこのような体験をした方も多いのではないでしょうか。

その原因としては、解答に必要な知識を「理解」せずに、ただ暗記していたことにあります。

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そのため、講義で説明された論点の会計処理について「理解」することができ、試験の問題にも対応することができます。

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まとめ

簿記初級は、初めて簿記に触れる人でも、理解しやすい資格です。

簿記3級を勉強してみてもよくわからないという人は、初級から初めてみてはいかがでしょうか。

ネット試験のため、気軽にチャレンジでき、合否もその場でわかるのもうれしいポイント。

また、簿記の基礎がしっかりと身に付くので、上位級を目指していきたい人にもおすすめです。

独学でも充分に合格のチャンスはあるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

簿記初級に関してよくある質問

簿記初級は独学で合格できますか?

簿記初級は市販の教科書を使い独学で合格できます。教科書を読む際は、強調された箇所を重点的に学習したり、教科書の内容が理解できるまで読み返したりして、効率よく理解重視の学習を心がけましょう。

簿記初級に合格すると何ができるようになりますか?

簿記初級に合格すると、簿記の基本用語や複式簿記の仕組みなど簿記の基礎を習得でき、企業の経理や財務に関われます。しかし、工業簿記は試験範囲の対象外であるため、製造業における原価計算や管理会計は習得できません。よって、これらに携わりたい場合は2級を受験しましょう。

経理でない人も簿記初級は学習するべきでしょうか?

経理ではない人も簿記は学習するに越したことはありません。簿記の基礎を理解することで決算書などの理解が深まり、自分の仕事の会社に対する影響をより俯瞰して捉られます。3級ほど実務的でないものの、基礎の学習が目的ならば初級でも十分ですので、経理でない人にもおすすめの資格です。

この記事を書いた人

CPAラーニング編集部

ライターCPAラーニング編集部

ライターCPAラーニング編集部

簿記・会計をこよなく愛するCPAラーニングコラムの編集部です。簿記検定に合格するためのポイントや経理・会計の実務的なコラムまで皆様に役立つ情報を提供していきます。

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