【キャリア】(未経験者)経理の年収アップ戦略

年収アップの画像です

前回のコラム(【キャリア】簿記2級取得後の年収や就職・転職状況はどうなる?)では、簿記2級取得によって、年収アップに繋がりますし、就職・転職にも有利になるという説明をしました。

また、一方で簿記2級の取得をしても、現在の会社に留まる場合は資格手当の支給のみになるケースが多く、年収の大幅アップには繋がらない旨も紹介しました。

そこで、今回のコラムでは簿記2級取得後に『経理未経験者が年収を大幅アップさせるための戦略』についてご紹介します。具体的に、「1. 会社に留まった場合 」「2. 転職を視野に入れる場合」「3. 年収をアップさせるためのプラン」の順にご説明します。

会社に留まった場合

会社に留まった場合の画像

まず、今勤務している会社で簿記検定を取得しても、「すぐに昇格させよう」となる企業は少ないです。

申告によって資格手当を貰えるケースが多いですが、そもそも企業の資格手当というのは、難関資格である弁護士資格や公認会計士を取得したとしても、5,000~10,000円程度です。

求人の傾向を調べた結果、日商簿記2級取得者に対しては、(月々)1,000円~5,000円の資格手当が支給されていることが分かりました。

つまり、平均年収+資格手当分の年収になるということです。


これでは、”大幅な年収アップ”という観点から考えると、会社に留まる場合、簿記2級を苦労して取得してもあまり報われません。

以上より、簿記検定を元に年収をアップさせたいのであれば、転職を視野に入れて計画的に動く必要があると言えます。

転職を視野に入れる場合

転職を視野に入れる場合の画像

簿記2級の資格を存分に活かせる職種としては、やはり経理が筆頭となります。経理への転職の場合、『経理の実務経験+資格』のセットが大きく年収を上げるポイントです。

簿記2級取得者の経理経験値別平均年収は、以下の通りです。
また、転職の場合、この表の平均年収を目安に交渉が行われることが多いです。

簿記2級経験値別平均年収の画像

実務未経験者の年収は低く、実務経験を積むにつれて大幅に上昇していくことから、いかに実務経験が重視されているかが分かります。

年収をアップさせるためのプラン

年収をアップさせるためのプランの画像

ステップ⓪:前提

「経理の年収を決める最も重要な要素」とは一体何でしょう。
それは、給与水準の高い会社にいるかどうかになります。

つまり、年収をアップさせるためには、”簿記2級の資格を活かして、最短距離で給与水準の高い会社に転職するための対策を考えられるか”が大切です。やみくもにスキルアップさえすれば報われるという訳ではありません。

以上より、年収をアップさせるプランは転職ありきで考える必要があります。

ステップ①:実務経験を積むための部署へ移動する

上述の通り、経理の年収については、実務経験が重視されます。そのため、経理業務の経験がない場合は、まずは現在の会社で経験を積むのが一番手っ取り早いです。

人事部に簿記2級を取得したこと及び経理部への異動に前向きであることを伝えることが効果的です。なぜなら、早めに異動を希望することによって、欠員が出た際などに考慮してもらえる可能性が高いからです。

現在の会社では直近の異動が難しいという場合、実務経験を早く積むために、経理未経験可という企業への転職活動を始めるのがお勧めです。

ステップ②:転職で評価される実務経験を積む

次に、実務経験の内容が問われます。

実務経験有りと言っても、経費精算や現金の出納管理といった付加価値の低い業務ばかりをしていた場合は、転職の際に実務経験としてPRすることは難しいかもしれません。

給料水準の高い会社ほど、付加価値の低い業務は外注or自動化で対応しているからです。

経験を積むべき業務は以下のような業務になります。

評価される実務経験の画像


📍POINT

・後輩2~3人を指導しながら決算を締められる場合、”実務上のリーダー”を名乗れる
・財務会計の分野に携わる場合、担当できる人が多いため、”末端プレーヤーで終わらないこと”が重要
・マネジメントや親会社対応・監査法人対応などより高い目線での業務経験は評価されやすい
・税務会計の経験は、どこの会社でも評価されやすい
・管理会計の分野では、予算管理/原価管理に携われると評価されやすい‍

ステップ③:転職の前年度は残業する

転職市場では、前年度の収入水準が次の年収に影響します。

例えば、基本給ベース(賞与込み)で年収が300万円だった場合、転職時に狙える求人案件は350万円~400万円ぐらいになります。一方で、残業代で+100万円した場合、前年度年収は400万円になり、転職時に450万円~500万円ぐらいの求人案件を狙えます。

源泉徴収票だけでは、残業で稼いでいるのかは分からないため、転職を視野に入れて年収の大幅アップを狙っている場合は、前年度はガツガツ働いて残業代を稼ぐべきと言えますね。

残業というと、嫌なイメージも付きまといますが、今回の場合は、残業によって短期間で様々な実務経験を積めて、キャッシュが手に入り、年収が上がり、次の転職が有利になると考えれば十分する価値があります。

最後に

今回は、経理未経験者が年収を大幅アップするためのプランをご紹介しました。スキルを上げさえすれば、年収が上がる訳ではないことが分かったと思います。

また、転職を前提とした年収アップのプランを端的にまとめると以下の通りでした。

①実務経験を積む
②転職で評価されやすい経験を取りに行く
③転職の前年度は残業代等で年収を増やしておく

そもそも経理の世界では、転職回数が3~4回というのは全然普通です。
経理のスキルはどこの会社からも需要があるため転職には苦労しないからです。

とはいえ、若さも大事ですので、35歳ぐらいまでに、3回目の転職を終えて年収500~600万円ぐらいを確保すると、40歳で700万円、50歳で800万円が見えてきて、平均よりも高い水準の給与を得られ続けるでしょう。

◆転職の一例

  • 1回目:25歳~28歳で未経験から経理にキャリアチェンジ
  • 2回目:28歳~30歳で待遇の良い会社に転職
  • 3回目:30歳~35歳で待遇の良い会社に転職

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経理の仕事は、伝票起票や経費精算など細かな日次業務が多く、全体像を見失いがちです。

その結果「何のためにこの業務をしているんだろう」とモチベーションの低下に繋がることもあります。

そのため、経理の仕事は特に、常に全体像を捉えながら進めていかなければなりません。

イメージとしては日々の仕事を「」ではなく「」として捉えること。

毎日の仕訳にしても、何となく取引金額を入力するのではなく、自社や取引先の財政状態や経営成績を念頭に置いたうえで入力することが大切です。

こうすることで、自社が取引先・借入先に対して、適切に支払いができるのか、あるいは取引先・貸付先から適切に入金が行われるのかを、仕訳と同時に予測できます。

極端な例ですが、こうした「意識的」な仕訳を繰り返すことで、会社の経営状況が見えてきて、黒字倒産を未然に防ぐといったことも。

また、全体像を把握できていると、業務の優先順位を自ずとつけられるようになるので、仕事のスピードがぐっとあがっていきます。

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経理の年収アップ戦略に関しての質問

経理未経験の人が年収アップを目指す場合、どのようなスキルを身につけると良いですか?

経理業務に必要な基本的な知識やスキルを身につけることが大切です。例えば、会計の基本や帳簿の作成、税務申告などです。また、Excelや会計ソフトの使い方などのITスキルも必要です。簿記や税理士の資格を取得することも有効な手段です。

転職以外に年収をアップさせる方法はありますか?

経理の年収アップのためには、専門知識を深めてスペシャリストとしてのポジションを目指すことが一つの方法です。また、経理部門のマネージャーに昇進して部下を指導する立場になることも、年収アップにつながるでしょう。

経理で転職する人は多いのでしょうか?

はい。経理はどこの会社からも需要があるため、転職には苦労しないケースが多く、転職回数が3~4回という方もいらっしゃいます。

この記事を書いた人

CPAラーニング編集部

ライターCPAラーニング編集部

ライターCPAラーニング編集部

簿記・会計をこよなく愛するCPAラーニングコラムの編集部です。簿記検定に合格するためのポイントや経理・会計の実務的なコラムまで皆様に役立つ情報を提供していきます。

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