自動車税の勘定科目について知りたい!経費で落とすときの按分方法も紹介

色々な種類の車の画像です

自動車税は、年に1回課税される税金です。

自動車税の勘定科目は固定されているわけではなく、管理方法などによって異なります。

また、個人事業主の場合、勘定科目や仕訳は一緒でも、プライベートでも車を使用しているときは按分する必要があります。

自動車税を経費として扱うときの勘定科目や仕訳方法、気をつけるべき点を見ていきましょう。

自動車税とは

自動車税は車検証上の所有者に対して課税される税金です。

申告はなく、納付書が送付されてくるため、5月末までに支払いを行います。

期限をすぎてしまうと、加算税や延滞税が発生します。

また、毎年4月1日の時点で課税されるため、廃車などで手放したときは抹消登録を忘れると課税され続けるため、注意しなくてはなりません。

新車を購入したときは、月割りで自動車税を支払います。新車の場合は、費用計上が可能です。

しかし、中古車の場合は4月1日の時点ですでに所有者が自動車税を支払っているため、取得価格に含めます。

自動車税には車の種類によって、税額が細かくわかれています。2019年の10月に消費税が10%になった時点で減税されました。

自動車税を経費で落とすときの勘定科目について

自動車税は車にかかる費用であり、税金でもあります。

そのため、費用であることはわかっても、どの勘定科目を使用したらいいのか混乱してしまうこともあるのではないでしょうか。

自動車税を経費で落とすときの勘定科目を見ていきましょう。

自動車税を処理するときの勘定科目

自動車税を処理するときの勘定科目は「租税公課」。

しかし、租税公課には自動車税以外に収入印紙代や固定資産税など、国税や地方税などの税金なども含まれています。

車関係の費用を把握したい場合は「車両費(車両経費)」の勘定科目を使用してもOKです。

借方貸方
租税公課or車両費 50,000円現金 50,000円

車両費は、車を購入費および車庫証明・代行手数料などの取得費、車検や修理費用などの維持費、ガソリン代などの燃料費など、車両の維持や管理にかかる費用なども該当します。

処理する勘定科目の考え方

勘定科目は自動車税に限らず、固定されたものではありません。

事業の内容や経費の捉え方、管理の方法によって、経営者や経理の責任者が選択できます。

一般的には車両費であるガソリン代も、社員が営業で使用する場合は旅費交通費として処理も可能です。

また、車を修理した際にも車両費ではなく、修繕費の勘定科目を使用してもOK。

勘定科目の選択は自由でも気をつけなくてはいけないことがあります。それは、一度決めた勘定科目は継続して使わなくてはいけないことです。

会計処理の原則のため、特別な理由がない限り変更は認められません。勘定科目に迷ったときは、過去に似たような仕訳がないか確認をしましょう。

個人事業主が自動車税を払った場合はどうなる?

法人ではなく、個人事業主が自動車税を払ったときの勘定科目や仕訳方法は違うのでしょうか?

また、個人事業主はプライベート用の車を事業でも使うことが多いですよね。

個人事業主が自動車税を払ったときの、会計処理も確認していきましょう。

勘定科目や仕訳方法は法人と同じ

個人事業主が自動車税を払った場合、基本的に勘定科目は租税公課、または車両費などが使用されるため、仕訳方法も変わりません。

自動車税を事業用の口座から支払ったときは「事業主貸」、プライベート用の口座から支払ったときは「事業主借」が相手勘定となります。

プライベートでも使用しているなら家事按分

家事按分とは、個人事業主のみが使用できるもので、事業とプライベートを兼ねた出費に対し、使用分を割合で算出します。

個人事業主の場合、プライベートでも同じ車を使用していることが多いです。

プライベートでの使用分は、経費として落とすことができません。

この場合は、走行距離や利用回数、利用時間などを把握し按分します。

一般的に、走行距離で按分すると簡単かつ合理的。

利用回数や利用時間は、プライベートで使用したときにも記録する必要がありますが、走行距離であれば、車の総走行距離から事業で利用またはプライベートで利用した距離を引くことで簡単にわけられます。

たとえば年間の走行距離が1万㎞で、事業で0.7万㎞使用した場合、7割の自動車税額を経費として計上できます。

仕訳は以下のとおりです。

借方貸方
租税公課or車両費 35,000円
事業主借 15,000円
現金 50,000円

【事業とプライベートで使用する場合】自動車税を経費で落とすとき按分方法

自動車税を経費で落とすときは、いくつかの注意点があります。

事業とプライベートの両方で車を使用する場合、節税対策として経費計上したいですが、できないものがあるので気をつけなくてはなりません。

また、普通自動車と軽自動車で還付制度が異なり、軽自動車税は市町村によって違います。

加算税・延滞税は経費で落とせない

自動車税の加算税や延滞税は、経費で落とすことができません。

自動車税は毎年5月31日までに納付する必要があり、期限を過ぎてしまうと延滞税が発生します。

自らの過失で発生する税金のため、経費計上が認められません。

一方、社会保険料の加算税や延滞税は、税法上の規定に基づくものではないため、経費処理が可能です。

普通自動車と軽自動車で還付制度が異なる

普通自動車の自動車税は、途中で廃車や売却をした場合に月割りで還付されますが、軽自動車税は還付されません。

そのため、4月1日に新車を購入し、4月2日に車を廃車や売却した場合、所有は1台でも2台分の自動車税を支払うことになってしまうため注意しましょう。

ローン購入した車の自動車税の支払いは購入者

ローンで車を購入した場合、返済が終わるまで車の所有権はローン会社となりますが、車検証上の使用者は購入者となります。

したがって、自動車税の支払いは購入者がしなくてはなりません。

ちなみにカーリースの場合は、リース料の中に自動車税などの法定費用が含まれています。

車を所有しているわけではなく借りているため、仕訳をする際も細かい項目に分ける必要はなく、リース料としてまとめて計上してOKです。

軽自動車税は市区町村で異なる

軽自動車税は、全国一律ではなく市区町村によって異なります。

市区町村は基準税額の1.5倍までであれば、金額を自由に決めることができるからです。

また、軽自動車税は、登録年度や事業用か自家用かでも税額が変わっています。

1か月以内に返品した場合の自動車税負担はゼロ

購入した車を1か月以内に返品した場合、すでに納付済みであっても自動車税は還付されます。

1か月以上になると、普通自動車は経過した月数分は還付されません。軽自動車税は、1か月を超えると自動車税は全額還付されないので注意しましょう。

知っておくべき自動車税のこと

あらかじめ、いくらくらいの自動車税が請求されるのか把握しておきたい人も多いのではないでしょうか。

個人で支払う場合はもちろんのこと、企業も予算を立てるときに必要です。

自動車税の勘定科目や按分方法のほかにも、自動車税の支払う額はどのように分類されているか、金額はいくらなのか、具体的に見ていきましょう。

自動車税の税額の種類

自動車税の主な税額の種類は以下のとおりです。

  • 普通乗用車
  • 軽自動車
  • 軽三輪自動車
  • トラック(乗車定員4人未満)
  • トラック(乗車定員4人以上)
  • バス
  • けん引車・被けん引車
  • 特殊用途車(キャンピングカーなど)
  • 原動機付き自転車
  • バイク(250cc以上)
  • 軽二輪車や雪上車などの軽自動車
  • 農耕作業用自動車やその他の小型特殊自動車

自動車税の金額

普通乗用車と軽自動車の自動車税の金額を見ていきましょう。

  • 普通乗用車の自動車税の金額

普通乗用車の場合は、総排気量で自動車税の金額が決まります。

10段階にわけられており、2019年9月30日以前に新規登録をした自動車と、2019年10月1日以降に新規登録をした自動車の税額は違います。

2019年9月30日以前に新規登録をした車の自動車税は29,500円から111,000円。2019年10月1日以降に新規登録をした車の自動車税は25,000円から110,000円です。

(参考:総務省「2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」)

  • 軽自動車の自動車税の金額

軽自動車税の場合は、常用と貨物用にわけられ、それぞれ自家用と営業用にわかれて税額が決まっています。

2015年3月31日以前に新規登録した乗用は、自家用は4,000円、営業用は3,000円。貨物用は、自家用は5,000円、営業用は3,800円です。

2015年4月1日以降に新規登録された乗用は、自家用は10,800円、営業用は7,200円。貨物用は、自家用は5,500円、営業用は3,800円です。

4月1日に自動車の所有者に自動的にかかる

先ほどご紹介のとおり、自動車税は毎年4月1日の時点で所有者とされている人に自動的に課税されます。

廃車などで手放したときは、抹消登録を忘れると車がなくても課税され続けるので気をつけましょう。

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まとめ

自動車税の勘定科目は、基本的には租税公課ですが、車の費用をまとめて管理したいなどの理由で車両費として処理を行うこともあります。

期限をすぎてしまうと、加算税や延滞税が発生するので注意しましょう。

また、個人事業主で事業用とプライベート用をわけていない場合は、全額経費で落とせないため、しっかりと事実に基づき按分してください。

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この記事を書いた人

CPAラーニング編集部

ライターCPAラーニング編集部

ライターCPAラーニング編集部

簿記・会計をこよなく愛するCPAラーニングコラムの編集部です。簿記検定に合格するためのポイントや経理・会計の実務的なコラムまで皆様に役立つ情報を提供していきます。

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