簿記3級は転職に有利なの?取得するメリットや転職に活かす方法

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簿記3級は転職に有利です。経理の仕事に採用されやすくなるだけでなく、経理系ではなくても、会計知識を持った人材は重宝されるからです。そのほか、簿記3級を取得するメリットや、転職に活かす方法についても解説します。

簿記3級の基礎知識

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日商簿記3級(以後は「簿記」と記載)の基礎知識として、簿記3級の受験者に対する合格者の割合と、合格するのに必要とされる時間を解説します。

この2つから、簿記3級の難易度と取得する際の労力が大まかに分かります。

受験者に対する合格者の割合

簿記3級の受験者に対する合格者の割合は、回によって幅があり、高い場合は50%を超えることもあります。低い場合は30%ほどとなり、平均すると40%程度です。

出典元:商工会議所の検定試験「簿記 受験者データ

簿記3級は基本的な内容を問う問題が出題されます。しかし、簿記の初学者が多く受験する級なので、合格者が受験者数の半数以下になることも珍しくないのです。

対策が不十分な状態で受験しても、不合格となる可能性が高いです。

ただし、非常に難しい試験ということではありません。簿記の基本的な知識をしっかり理解し、基礎的な問題を着実に解けるようにしておけば、十分合格できる難易度の試験です。

基本的なレベルだからといって油断せず、基礎を固めて受験しましょう。

合格率について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください

簿記3級の合格率と難易度とは?対策法まで徹底解説

必要な学習時間

簿記3級合格に必要とされる学習時間は、独学の場合なら120〜140時間が目安。

平日は1時間ほど勉強し、休日は3時間程度勉強するスケジュールの場合、1週間に10時間ほどの勉強時間となるので、そのペースで12〜14週間、つまり3〜5カ月勉強すれば合格ラインに到達できる計算になります。

もちろん、人によって必要となる勉強時間は大きく異なるので一概にはいえませんが、集中して勉強できる環境や、勉強時間を確保できれば、半年もかからず3級レベルに届く可能性は高いです。

この勉強時間は、市販のテキストを購入して独学した場合を想定していますが、後述する映像教材などを利用して効率良く勉強できれば、必要となる勉強時間をさらに短くできるでしょう。

学習時間について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

簿記3級に合格するのに必要な勉強時間は?おすすめの勉強方法も解説

簿記3級は転職に有利なの?

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簿記3級を取得していると、就職や転職に有利になる場合があります。

経理の求人では、採用条件として簿記3級以上を取得していることを挙げている場合も多いです。そのため、簿記3級を持っていることで、職業選択の幅が広がるのです。

簿記の知識はビジネスで重視される傾向があるため、経理系の職種ではなくても就活にプラスに作用することが期待できます。

ただし、簿記3級によって就活が大きく有利になるとは考えないほうが良いです。

簿記3級は飽くまで経理に関する基礎的な知識や能力を証明するものであり、企業が経理業務での即戦力を求めている場合、簿記3級を持っているだけではそれほどアピールにならない可能性が高いでしょう。

簿記3級以上を採用条件として掲げている企業も多いと述べましたが、それは簿記3級が最低ラインという程度の意味だと捉え、より上の級を目指すと良いでしょう。

とはいえ、資格を一切持っていない人と比べれば、簿記3級を持っている人のほうが就職選択の幅が広がる可能性は高まります。

より上の級や資格を目指しつつも、まずは簿記3級の取得を目標にしましょう。

簿記3級を取得する3つのメリット

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簿記3級を取得することで得られるメリットは、大きなものとして以下の3つが挙げられます。

  1. 経理の仕事の助けになる
  2. 経理への転職に有利
  3. 経理以外の職種でも活かせる

これらのメリットについて、詳しく解説していきます。

経理の仕事の助けになる

簿記3級を取得するメリットとして、経理の仕事の助けになることが挙げられます。

経理や会計業務は、基本的な知識を持っていないと理解しにくい場合が多い。

お金の流れに基づいて仕訳を切ることや、借方・貸方の違い、勘定科目の種類など、一般的にはなじみのない知識や概念が経理業務には必要とされます。

簿記3級は、会計に関する基本的な知識があることを証明するものです。簿記3級の勉強を通じて、経理業務に関する基本的な知識を身に着けることができます。

簿記3級は、経理の仕事に直接的に役立つのです。

もちろん、経理の知識があまりない状態でも、研修や引継ぎがあればある程度は仕事を理解し取り組めるでしょう。

しかし、経理の基本的な知識がない状態で研修などを受けても、仕事内容をしっかり理解できる可能性は低いです。

なぜなら、企業で行われる研修は、どのように業務を進めるかといった内容が中心である場合も多く、簿記の基本知識を教わる機会は少ないからです。

簿記3級を学習しておけば、経理の基礎知識が身に着いている状態で仕事に臨めるため、より理解が深い状態で経理業務をこなせるようになります。

経理への転職に有利

簿記3級を持っていると、経理系への転職に有利であることがメリットとして挙げられます。

上記で述べたように、簿記3級を取得していると経理業務に取り組みやすくなります。

経理人員の採用を考えている企業にとって、簿記3級を持っている人物とそうではない人物を比較した場合、簿記の知識を持っている人が魅力的に見えます。

経理はお金の流れを管理する仕事。よって業界を問わず必要とされるので、経理系の求人は多くあります。

簿記3級を取得することによって、就職先の選択肢を増やすことができるのです。

ただし、上記でも述べたように、簿記3級を持っているからといって大幅に就職に有利になるとは考えにくい。経理への転職を目指すならば、より上の級に挑戦していくことも重要です。

経理以外の職種でも活かせる

経理以外の職種でも知識を活かせることは、簿記3級を取得するメリットです。

簿記の勉強で得られる会計の知識は、経理に限らずビジネス全般に役立つもの。なぜなら、ビジネスにはお金の流れがつきものだからです。

会計にまつわる知識やノウハウは、まさにお金の流れを管理するためのものであり、そのため簿記で得た知識は広くビジネスに役立つのです。

たとえば、予算管理にも簿記の知識が役立ちます。

翌年度どれくらいの費用や利益が見込まれるかを考え予算計画を立て、その計画通りに予算が達成されているかを把握するのが予算管理です。

費用や利益を予測し、その進捗を把握するためには簿記の知識が役立ちます。

もちろん、簿記3級の知識だけでは実務をこなすのに不十分かもしれません。

しかし、簿記3級を取得することで最低限の会計知識を得ているだけでも、見える景色は大きく変わります。簿記3級の取得を目指して勉強する意味は大きいといえるでしょう。

簿記3級の2級・1級との違い

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簿記3級には、2級・1級とどのような違いがあるか解説します。

日商簿記には、3級の上に2級、1級があります。3級、2級、1級の順で難易度が上がり、出題範囲も異なります。

ここではそれぞれの級の難易度の違いや必要となる勉強時間の目安、大まかな出題内容について取り上げます。より上の級を目指す参考にしてください。

また簿記3級についてより詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

簿記3級はどんな試験?必要な勉強時間やネット試験についても解説

簿記2級との違い

簿記3級は2級から見て一つ下の級です。

3級を取得する際に必要な勉強時間はおよそ120〜140時間とされます。2級は、勉強時間が250〜350時間かかるとされており、2級と比べると3級は約半分の勉強時間が目安。

3級は、受験者に対する合格者の割合は約40%と、2級の20%よりも20%ほど高いです。

出典元:商工会議所の検定試験「簿記 受験者データ

簿記3級は、規模がそれほど大きくない企業の、商業簿記に関する基本的な知識が出題されます。

商業簿記とは、製造業以外の企業が一般的に使用する会計方式です。

それに対して2級は、3級で扱われる知識を前提として、3級で扱うよりも規模の大きい企業を対象とした会計知識を学びます。

さらに、3級で学んだ商業簿記に加えて、新たに工業簿記も扱われます。

工業簿記は、製造業などの企業が使用する会計方式です。「仕掛品」や「材料」などのような、工業簿記独自の勘定科目を学ぶ必要があります。

商業簿記のみの出題である簿記3級は、一通りの基本知識を押さえることが重要といえます。

簿記1級との違い

簿記2級のすぐ上の級が簿記1級です。

必要な勉強時間は500〜700時間とされ、3級の5倍ほどかかります。

受験者に対する合格者の割合は、1級では10%ほどです。3級の40%から見ると4分の1程度の合格率。

出典元:商工会議所の検定試験「簿記 受験者データ

しかし、1級を受験するのは3級や2級よりもレベルの高い受験者なので、その中で10%しか合格しないというのは、1級はかなりの難関試験といえるでしょう。

3級が、比較的小規模の企業を扱うのに対し、1級は大企業を対象とした会計処理の知識を学びます。商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4分野が独立した問題として出題されます。

3級では商業簿記のみの出題なので、3級よりも深い知識が必要となるでしょう。

また、簿記1級は取得するとキャリアアップに直結します。採用側からは、企業の財務や経営分析におけるスペシャリストと見られるでしょう。

さらに簿記1級の取得者には、税理士試験の受験資格が与えられます。

キャリアアップだけでなく、さらなる難関資格への道も開けるのが、簿記1級なのです。

会社の資格手当等は2級以上が一般的

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会社で給付される資格手当等は、2級以上が一般的です。

資格手当は基本的に、業務に活かせる資格や技術を取得している人員に給付されるものです。

その点、簿記3級は基礎的な内容を扱うものであるため、業務に直接活かせるほど専門的な知識は持っていないと見なされる傾向があるようです。

ビジネスパーソンの教養としてならば簿記3級でも効果は大きいですが、業務に活かすことを考えるなら、3級で満足せず2級以上を目指すべきです。

ただし、これから簿記の取得を目指す場合、取得にかかるテキストの購入費用や、受験料などに関しては3級であっても支給される会社があります

学習を始める前に、会社に利用できる手当がないか確認しておきましょう。

簿記3級を転職に活かす方法

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簿記3級を転職に活かすためには、簿記2級以上を目指していることをアピールすると良いでしょう。

簿記3級は、簿記の基本的な知識があることを証明するものです。

「自分は簿記3級を持っているので、経理の仕事は十分こなせます」などと言ってしまうと、「自分の実力を過大評価している」「経理の仕事を甘く見ている」という印象を与えかねません。

よって採用面接などでは、簿記3級はあくまで通過地点であり、2級以上を目指して学習に励んでいることをアピールしましょう。

上の級を目指していることが伝われば、自分の実力を客観的に計ることができる人材であることを示せます。

また学び続ける姿を印象付けられれば、上昇志向がある前向きな人として好印象を持ってもらえるかもしれません。

簿記3級は面接での会話のきっかけ程度に考え、謙虚な姿勢を心がけましょう。

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簿記の知識を正しく「理解」できる

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まとめ

簿記3級が転職に有利か、また簿記3級を取得するメリットを解説しました。簿記3級を取得すると、経理系の仕事に対する選択幅が広がります

実際に経理の仕事に就いた際も、簿記3級で得た知識は直接的に役立ちます。

また、経理以外の職種でも、お金の流れについて基礎的な知識を持っていることを証明できる簿記3級は高評価を得られる可能性が高い。

そのため、簿記3級を取得することは転職に有利であるといえます。

ただし、簿記3級は会計の基礎的な知識を証明するものなので、より上の級を目指すと良いでしょう。

簿記の学習を効率的に進め、簿記試験を上手く就職活動に活かしてください。

この記事を書いた人

CPAラーニング編集部

ライターCPAラーニング編集部

ライターCPAラーニング編集部

簿記・会計をこよなく愛するCPAラーニングコラムの編集部です。簿記検定に合格するためのポイントや経理・会計の実務的なコラムまで皆様に役立つ情報を提供していきます。

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