簿記3級とは簿記の入門資格!難易度・試験内容・取得メリットまとめ

電卓を触っている人の画像です

「簿記3級とはどのような資格なの?初心者でもチャレンジできる?」
「簿記3級は仕事で活用できる?取得メリットは大きい?」

会計や経理に関する人気資格の簿記3級。

簿記3級とは聞いたことがあるものの「挑戦してみたいけれど難易度が気になる」「簿記を勉強したことが無くても合格できるの?」など、簿記3級はどのような資格なのか知りたい方が多いのではないでしょうか。

簿記3級は、経理や会計の基礎知識が身につく入門資格です。

簿記3級の概要の画像です。

難易度が比較的低いので簿記未経験者でもチャレンジでき、ビジネスや大学入試などに活用できます。

とくに下記に該当する場合は簿記3級を取得するメリットが大きく、目的に応じて簿記3級を最大限に活用できるでしょう。

上記に該当しない場合でもあなたにとって取得するメリットはあるのか、将来役に立つのか見極めるためにも、どのような資格なのか確認しておきましょう。

この記事では、簿記3級の難易度や取得メリット、詳しい試験内容など、簿記3級に関する基礎知識を分かりやすく解説しています。

とくに取得メリットは、実際に簿記3級を取得した方のリアルな声を踏まえて紹介しているので必見です。

この記事を読むと分かること
・簿記3級の概要が分かる
・簿記3級の難易度や合格率が分かる
・簿記3級の試験範囲が分かる
・簿記3級を取得するメリットが分かる
・簿記3級の取得が向いている人が分かる
・簿記3級の試験方法や試験日程が分かる
・簿記3級の試験勉強時間やスケジュールが分かる

この記事を最後まで読めば簿記3級がどのような資格なのか理解できます。

簿記資格は、ビジネスの三種の神器の1つと言われている「会計」と密接な関係があるため、会計や経理に携わる人だけでなくすべてのビジネスパーソンにとって役立つ知識です。

前向きに資格取得を検討するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

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1.日商簿記3級とは

日商簿記3級の概要
概要 ・簿記の基本原理や帳簿の記録方法、決算などを学ぶ
・簿記の入門資格として基礎的な知識を学ぶ
難易度 比較的低く未経験でもチャレンジできる
平均合格率 約40%
受験資格 なし
(学生・社会人問わずチャレンジできる)
試験対象簿記  商業簿記
(一般的な企業・店舗などで利用する会計処理方法)
試験方法 下記の3つから選択できる(詳しくは7.【2024年】日商簿記3級の試験方法・日程で触れています)
・統一試験(ペーパー形式の試験)
・ネット試験
・団体試験
試験時間 60分

日商簿記3級は、簿記の基礎知識を学ぶ資格です。

日商簿記3級では中小企業の簿記の基本的な原理や帳簿の記録方法、決算の基礎知識などを学びます。

ビジネスパーソンが持っておくべき基本的なお金の流れを理解できるため、会計や経理業務だけでなく下記のように幅広く活用できます。

【日商簿記3級を取得するとできること】
・会社のお金の流れが理解できニュースや株式投資の理解が深まる
・財務諸表の知識を家計管理に活用できる
・社会人が持つべき一般教養を養える
・経理や会計の基礎知識が習得できているので就職
・転職に有利になる場合がある
・経理や会計業務以外の仕事にも活用できる
・大学入試で優遇を受けられる場合がある

また、簿記を今までに学習したことのない方でもチャレンジでき、比較的難易度が低いところも大きな魅力です。

合格率は約40%と高めなので、高校生や大学生、簿記未経験の社会人など年齢や背景問わず手軽に挑戦できます。

少しでも簿記に興味を持っているなら、まずは日商簿記3級からチャレンジしてみましょう。

▼日商簿記3級の概要は下記の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。

簿記3級はどんな試験?必要な勉強時間やネット試験についても解説

【簿記検定には3種類ある!日商簿記が主流】
簿記検定には下記の3種類があり「日商簿記」が一般的に世間で認識されている「簿記」に該当します。

・日商簿記:学生・社会人向けの一般的な資格
・全経簿記:主に経理や会計の専門学生向けの資格
・全商簿記:主に商業科の高校生向けの資格

この記事では、日商簿記の3級について詳しく解説していきます。

▼3種類の簿記検定の違いは下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
【日商簿記、全商簿記、全経簿記の違いとは?】〜ネット試験などの最新情報もご紹介します!〜

 

2.日商簿記3級の平均合格率は約40%!簿記初心者でも挑戦しやすい

簿記3級の合格率の画像です

日商簿記3級の平均合格率は、約40%です。

受験者の2~3人に1人は合格できるので、簿記初心者でも挑戦しやすいと言えます。

ここでは、日商簿記3級の挑戦しやすさを検証するために統一試験とネット試験の合格率をご紹介します。

どれくらいの割合で合格できるのか、ぜひチェックしてみてください。

日商簿記3級の平均合格率 約40%
統一試験(過去10回の平均合格率) 40.16%
ネット試験(2020年12月~2023年12月までの平均合格率) 40.45%

2-1.統一試験の合格率

統一試験(試験会場に集合して実施するペーパー形式の試験)の過去10回の平均合格率は40.16%です。

過去5回の合格率を見ても30%~45%を推移していて、比較的合格率が高いことが分かります。

統一試験(ペーパー形式の試験)の合格率
  実受験者数 合格者数 合格率
165回(2023年11月19日実施) 25,727名 8,653名 33.6%
164回(2023年6月11日実施) 26,757名 9,107名 34.0%
163回(2023年2月26日実施) 31,556名 11,516名 36.5%
162回(2022年11月20日実施) 32,422名 9,786名 30.2%
161回(2022年6月12日実施) 36,654名 16,770名 45.8%

参考:日本商工会議所「3級受験者データ(統一試験)」

日商簿記2級と日商簿記1級と比較すると、3級の合格率が高いことが分かるでしょう。

日商簿記1級 約10%
日商簿記2級 約30%
日商簿記3級 約40%

合格率が低いと「合格までに時間がかかる」「合格ができないかも」という不安を感じますが、日商簿記3級の合格率は安定しており、誰でも手軽にチャレンジできるところが大きな魅力です。

▼日商簿記3級の合格率と難易度については下記の記事でもまとめているので、参考にしてみてください。
簿記3級の合格率と難易度とは?対策法まで徹底解説

2-2.ネット試験の合格率

パソコンを使用して受験するネット試験の2020年12月~2023年12月までの平均合格率は、40.45%です。

過去4年の合格率は38~41%程度をキープしていて、統一試験よりも受験年度による合格率のバラつきが少なくなっています。

ネット試験の合格率
  受験者数 合格者数 合格率
2023年4月~2023年12月 158,429名 61,194名 38.6%
2022年4月~2023年3月 207,423名 85,378名 41.2%
2021年4月~2022年3月 206,149名 84,504名 41.0%
2020年12月~2021年3月 58,700名 24,043名 41.0%

参考:日本商工会議所「2級・3級受験者データ(ネット試験)」

統一試験とネット試験では出願範囲や科目・難易度は同じですが、ネット試験のほうが少し合格率が高い傾向があります。

ネット試験では、パソコン操作の負荷などを考慮しや問題を出題する傾向があるからです。

【ネット試験のほうが合格率が高い理由】
・ネット試験は問題用紙に直接書き込めないためパソコン操作の負荷を考慮して出題している
・ネット試験では紙に書いて計算ができないため計算問題がやや易しい

上記の通り、ネット試験は統一試験のように紙に書きながら計算ができない・ネット特有のトラブルなどを考慮して、計算問題がやや易しい傾向があります。

参考:簿記3級のネット試験は難しい?統一試験との違いやネット試験のメリットも

▼ネット試験の難易度については下記の記事でもまとめているので、参考にしてみてください。

統一試験(筆記試験)とネット試験どちらが受かりやすい? ~会計士が直近の合格率から考察~


簿記2級3級の合格率は何%?~ネット試験と統一試験の難易度の違いも考察~

【日商簿記3級と同等レベルの資格は?】
日商簿記3級と同じくらいの難易度の資格には何があるのか気になる方もいるでしょう。
日商簿記3級はファイナンシャルプランナー3級(FP3級)と同等のレベルだと言われています。
どちらも試験勉強に必要な時間が同程度なので、比較対象になることが多いです。
ただし、
・日商簿記3級は企業の会計や経理
・ファイナンシャルプランナーは個人の資産管理
という違いがあるので、目的や目標に応じて受験を検討してみてください。

3.日商簿記3級の試験範囲

日商簿記3級の合格率が分かったところで、気になるのが試験範囲です。

日商簿記3級は基礎的な「商業簿記」が出題範囲です。

商業簿記とは、一般的な会社や店舗で使用する会計処理方法です。

製造業や建設業など特殊な業種を除き一般的な企業で使う方法なので、簿記の基礎になります。

商業簿記の中でもどのような項目が出願範囲となるのか詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

3-1.2023年時点の試験範囲

日商簿記3級は「簿記の基本原理」「諸取引の処理」「決算」「株式会社会計」の4項目から、経理・会計の基礎知識を確認できる初歩的な内容が出願範囲に選定されています。

項目 具体的な出題範囲
簿記の基本原理       簿記の基本的な考え方や簿記に関する用語を理解する
・基礎概念:資産・負債・資本等の違い
・損益計算書と貸借対照表との関係など
・取引:取引の種類・8要素と結合関係など
・勘定:勘定と仕訳の意義・勘定記入法則など
・帳簿:主要簿と補助簿の概要など
・証ひょうと伝票:証ひょうと伝票の種類と管理方法など
諸取引の処理 簿記に必要な取引の処理方法を理解する
・現金預金:現金預金の管理方法
・現金出納帳や小口現金出納帳の扱い方など
・売掛金と買掛金:売掛金と買掛金の定義
・売掛金元帳と買掛金元帳の扱い方など
・その他の債権と債務等:貸付金や借入金、未払金などの定義など
・手形:手形の種類や扱い方など
・債権の譲渡:債権の譲渡の定義など
・引当金:貸倒引当金の定義など
・商品の売買:仕入帳と売上帳・商品の管理方法など
・有形固定資産:有形固定資産の取得や売却、記帳方法など
・収益と費用:給与や経費の科目、記帳方法など
・税金:消費税や法人税の扱い方など
決算 決算時の精算方法や記帳方法を理解する
・試算表の作成:試算表の作成方法など
・精算表:精算表の記帳方法など
・決算整理:未払いや減価償却などの決算時の整理方法など
・決算整理後残高試算表:決算整理後残高試算表の作成方法
・収益と費用の損益勘定への振替:損益勘定への振替方法
・純損益の繰越利益剰余金勘定への振替:繰越利益剰余金勘定への振替方法
・帳簿の締切:決算期を迎えて各勘定の残高を締め切る作業方法など
・損益計算書と貸借対照表の作成:損益計算書と貸借対照表の作成方法
株式会社会計 株式会社の会計に必要な基礎知識を理解する
・資本金:資本金や増資の定義など
・利益剰余金:利益準備金やその他利益剰余金の定義など
・剰余金の配当など:剰余金の配当方法など

参考:日本商工会議所「簿記検定試験出題区分表」

日商簿記3級の出願範囲は毎年度4月1日に施行されている法令等に準拠して改正するので、最新の出願範囲を確認するようにしましょう。

3-2.日商簿記3級の出題方法

日商簿記3級は、先ほど紹介した出願範囲を下記の3問に分けて出題します。

問題の項目 概要 解答のポイント
仕訳問題
15問
仕訳を正しく理解しているか確認する問題 ・仕訳を理解してスピーディーに解答する
・配点が高いのでケアレスミスに注意して満点を狙う
帳簿記入・勘定記入など
2問
帳簿の記入方法や用語を正しく理解しているか確認する問題 ・体系的な理解力が問われる
・部分点がもらえる問題なので少しでも加点になるよう食らいつく気持ちで解く
決算
1~2問
決算の記帳方法や流れを理解しているか確認する問題 ・決算の流れはパターン化しているので理解できれば高得点を狙える
・自分なりにスピーディーに解答できる方法を見つけることが大切

仕訳問題は、出題範囲の「仕訳(帳簿に記録する方法・仕組み)」を理解しているか確認する問題です。

下記のように比較的短い問題が出題されるので、帳簿への記録方法を解答します。

【出題される問題の例】
商品(原価350,000円)を500,000円で販売し、
代金のうち200,000円は注文時に受け取った手付金を充当し、
残額は先方振出の小切手で受け取った。

帳簿記入・勘定記入の問題は、帳簿の記入方法や用語を正しく理解しているか確認する問題です。

実際に帳簿記入をする問題や記帳が必要な補助簿を選択する問題などが出題される傾向があり、体系的な理解が求められます。

【出題される問題の例】
・総勘定元帳を簡易的に示したT勘定に正しく記入する問題
・補助簿を作成する問題
・記帳が必要な補助簿を選択する問題

難しいと感じても部分点がもらえるので、諦めない気持ちを持って挑むと加点を狙える問題です。

決算問題は、決算に関する知識を確認する問題です。

決算で実施することはパターン化されているので、一通りの流れを理解できていれば満点が狙えます。

決算問題は、下記の3パターンのいずれかで出題される傾向があります。

【出題される問題の例】
・精算表に記入する問題
・決算整理後残高試算表に記入する問題
・財務諸表に記入する問題

それぞれの記入方法を理解して、自分なりに早く解ける方法を見つけることがポイントになるでしょう。

このように、日商簿記3級では出願範囲を理解するだけでなく、3問それぞれの特徴や問題の傾向にも慣れておく必要があるでしょう。

▼日商簿記3級の3問それぞれの解き方は下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
日商簿記検定3級の大問ごとの対策方法

▼日商簿記3級の勉強で使えるおすすめテキストは、下記を参考にしてみてください。
簿記3級おすすめテキスト10選!無料で利用できるテキストも紹介

4.日商簿記3級を取得する4つのメリット

日商簿記3級の概要が分かったところで、日商簿記3級を取得するとどのようなメリットがあるのか気になりますよね。

ここでは、日商簿記3級を取得する具体的なメリットをご紹介します。

日商簿記3級は幅広い場面で役に立つ資格なので、どのようなメリットがあるのかチェックしてみてください。

日商簿記3級を取得する4つのメリット
・経済活動を理解する基礎知識として幅広い職種で活用できる
・就職や転職に有利になる場合がある
・独学での合格が目指せる!ハードルが低く挑戦しやすい
・大学の入試で優遇されるケースがある

4-1.経済活動を理解する基礎知識として幅広い職種で活用できる

日商簿記3級は簿記の基礎知識が習得できるため、下記のような幅広い業種で活用できます。

業種・業界 日商簿記3級が活用できる例
経理・会計 取引や経費の入出金・決算の基礎知識が身につくので日次経理・月次経理・仕訳・決算などのサポート業務ができる
営業 財務諸表を分析するスキルなどを活かして顧客の課題に寄り添う提案ができる財務視点での切り口には説得力があり他の営業との差別化につながる
銀行員などの金融業     簿記の基礎知識があると企業の経営状況を把握できるため商品・サービスの提案に役立つ
小売業・販売業 商品原価の仕組みや損益の知識を身につけるためリスク軽減や数値を基にした判断ができる
コンサルタント 簿記の基礎知識があると企業の経営状況を数値で正しく理解できるため企業の課題や問題点を見つけやすくなる
個人事業主 自身の経営状況や経費を把握できるため、経費の節約や確定申告に活用できる

日商簿記3級では、経理や会計の基本的な業務である「出納」「起票」「記帳」「集計」について学べます。

簿記3級で得た知識を活かして、企業の経理・会計や会計事務所のアシスタントとして活躍できるでしょう。

会計・経理のキャリア例
経理アシスタント 請求書や契約書をもとに会計システムに伝票を入力・仕訳を起票する業務
会計事務所 請求書や契約書の処理現預金管理、手形管理、売掛・買掛管理、帳簿への記入

また、直接的に会計や経理に携わらなくても、小売業や金融業、営業職やコンサルタント職など幅広い業種で知識が役立ちます。

例えば、営業職やコンサルタント職では企業の業績を正しく理解したうえで、適切な提案をするスキルが求められます。

日商簿記3級では決算や諸取引の処理について学ぶので、数値を基に論理的な分析・説明をしながら納得感のある提案ができるでしょう。

また、小売業や金融業など会計と関連性の高い職種では、経理や会計でなくても簿記の基礎知識を習得しておくことで、業務で正しい判断をしやすくなります。

このように、日商簿記3級は経理や会計に限定しないで、幅広い業種で知識を活かして活躍できるところが大きなメリットだと言えるでしょう。

【簿記資格取得者のキャリアは?】
簿記資格取得者がどのようなキャリアを歩めるのか気になる方も多いでしょう。
下記の記事では簿記資格取得者の「王道キャリア」を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
簿記資格取得者の王道キャリア ~具体的なキャリアプランも解説~

4-2.就職や転職に有利になる場合がある

日商簿記3級は、就職や転職に有利になる場合があります。

とくに会計や経理に関する業種では、業務をする基礎知識として日商簿記検定取得を求められるケースがあります。

求人情報に下記のような記述をしている企業もあり、日商簿記3級を取得していると選択できる仕事・企業の幅が広がると言えるでしょう。

【求人情報で見られる表記】
・簿記3級以上取得必須
・簿記3級以上取得者優遇

また、日商簿記3級の公式サイトには、下記のような記述があります。

会社の人事部は、履歴書の資格欄をどのように見ていますか?

1)採用担当者の多くは簿記検定に合格しており、合格の価値を認識しています。
2)「採用と資格は無関係」とする会社でも内定後や採用後に社員教育を実施することあります。
簿記検定3級合格を義務付ける場合や、合格しないと昇進試験を受けられない場合もあります。

参考:日本商工会議所「簿記の活用Q&A」

多くの採用担当者が日商簿記検定の価値を理解しているため、書類選考段階でのアピールポイントにもなり得るでしょう。

また、就職後に日商簿記3級取得を求める場合や昇進の条件にしている場合もあるので、就職・転職活動時に取得していれば評価してもらえるかもしれません。

このように、会計や経理などの業界に就職・転職するなら、無資格よりも有利になる可能性があるでしょう。

▼日商簿記3級と転職の関係性は下記の記事でもまとめているので、参考にしてみてください。
簿記3級は転職に有利なの?取得するメリットや転職に活かす方法

【日商簿記3級は履歴書に記載できる資格】
日商簿記3級は知名度のある資格なので、履歴書に記載してアピールできます。
「資格は2級以上でないと履歴書に記載できない」という話も聞きますが、
日商簿記3級の場合は「企業で使える基礎知識を証明できる資格」なので問題なく記載できます。
日商簿記3級を履歴書に記載するときのポイントは下記の記事でもまとめております。
ぜひ参考にしてみてください。
簿記3級は履歴書に書いてもいい資格?正しい記載方法とメリットをご紹介

4-3.独学での合格が目指せる!ハードルが低く挑戦しやすい

勉強方法の違いの画像です

新しい資格取得を目指すときに、勉強時間やハードルの高さがネックに感じる方は多いかと思います。

「仕事や勉強と資格取得を両立する時間がない」「資格学校に通うのは面倒」など、いろいろ考えてしまいますよね。

日商簿記3級は受験者の約80%が独学で合格しています。

日商簿記3級は基礎的な知識がほとんどなので、独学でも十分勉強できます。

平均的な勉強時間は100~150時間なので、1日1.5~2時間しか勉強できなくても2~4ヵ月程度の勉強で合格を目指せるでしょう(詳しいスケジュール例は「8-2.勉強のスケジュール例」で解説しています)。

実際に日商簿記3級の合格者は下記のような独学で、合格を掴んでいます。

【日商簿記3級の独学方法】
・テキストを使って独学する
・YouTubeやブログ、Webサイトを使って独学する
・オンライン学習コンテンツを活用して独学する
▼独学に使用できるサイトは下記で紹介しています
【独学で合格】簿記3級を勉強できるサイト7選!完全無料で使えるサイトもご紹介

・長期間資格勉強に励む時間がない
・本腰を入れて資格勉強をする時間はないけど役立つ資格を取得したい
・資格取得に費用をかけたくない

という場合に、手軽にチャレンジできるところは大きなメリットです。

▼日商簿記3級が独学でも合格できる理由は下記でも解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
簿記3級は独学で合格可能?勉強方法ごとのメリット・デメリットを解説

4-4.大学の入試で優遇されるケースがある

日商簿記3級は、主に選抜での大学応募時や選考時に優遇されるケースがあります。

入試で優遇している大学は商工会議所の公式サイトで公表されており、2024年2月時点では下記のように多くの大学が優遇しています。

国公立大学では日商簿記2級や1級と比較すると優遇が受けられるケースは少ないですが、目指す大学によっては日商簿記3級でも優遇が受けられます。

大学の種類 優遇される内容 優遇のある大学数
国公立大学 選考時:資格保有により選考時に加点 1校
私立大学 応募時: 資格保有により出願資格を獲得 12校
応募時:資格保有に加え別要件も満たすことで出願資格を獲得 16校
選考時:資格保有により選考時に加点 24校

参考:日本商工会議所「活用の仕方」
※簿記の対象級について言及がない場合を除きます
※学科や選抜方法により優遇が異なる場合があります
※商工会議所の公式サイトで公表している大学のみで算出しています。詳しい優遇は志望大学にご確認ください

日商簿記3級を取得していると大学推進時の応募資格になるケースや選考時に加点となるケースがあり、無資格よりも大学合格に向けて一歩前進できることが分かるでしょう。

日商簿記3級は高校生でも十分挑戦できる難易度で、とくに商業科の高校生に人気がある資格です。

大学受験に向けて「優遇されるポイントを作っておきたい」という場合は、チャレンジしてみる価値があるでしょう。

5.日商簿記3級は取得しても意味がない?資格取得の目的次第で充分に活用できる

ここまで日商簿記3級のメリットについて解説してきました。

日商簿記3級は、大学入試や就職など様々な場面で役立つ人気の資格です。

一方で

「日商簿記3級は取得しても意味がないって聞くけれど本当?」

「日商簿記3級は本当に意味がある資格なの?」

という不安の声があることも事実です。

このような声が聞こえる主な理由は下記のとおりです。

【日商簿記3級を取得しても意味がないと言われる理由】
・年間4~6万人程度が合格しているので保有者が多く資格の価値がそこまで高くない
・資格を取得していないと取り組めない独占業務がない
・簿記の初級となるので高いスキルを証明できない
・実務に差が出るほどの能力を身につけられない

日商簿記3級は基礎的な知識を問う資格なので難易度が低く誰でも気軽にチャレンジできるからこそ、どうしても資格保有の価値が下がります。

例えば、税理士や公認会計士の合格率は20%以下と難易度が高く取得できる人が限定されてきますが、日商簿記3級は年間4~6万人程度が合格しているので資格そのものの保有価値はどうしても低く感じてしまいます。

また、日商簿記3級はあくまでも簿記の基礎知識習得を証明する資格です。

簿記にはより専門的な知識を証明できる日商簿記2級や日商簿記1級があるので、上位資格と比較すると日商簿記3級のみで高いスキルを証明することができません。

例えば、「簿記3級以上取得必須」の企業に日商簿記2級や1級を取得している人が応募すれば、日商簿記3級取得者よりも有利になります。

このように、日商簿記3級は難易度が低くチャレンジしやすいからこそ、裏を返すと「会計や経理のスペシャリスト」としては物足りなさを感じる資格だと言えるでしょう。

ただし「会計や経理のスペシャリストとしての一歩を踏み出したい」「企業のお金の流れや経済の勉強をしたい」など、目的によっては十分に活用できます。

【日商簿記3級が向いているのは?】
・会計や経理のスペシャリストとしての一歩を踏み出したい
・企業のお金の流れや経済の勉強をしたい
・大学受験に活用できる資格を取得したい
・社会人としての基礎知識が身につく資格を取得したい
・日商簿記3級を経て上位資格を目指したい

では、どのような人が日商簿記3級の取得に向いているのでしょうか?

次の章では、とくに日商簿記3級の取得が向いている人をご紹介します。

6.日商簿記3級の取得が向いている人

日商簿記3級は簿記の基礎知識が身につき、企業のお金の流れや世の中のお金に関する話題の理解に役立ちます。

そのため、ビジネスパーソンが持っていて損になることはありませんが、とくに下記のようなケースでは取得が向いています。

どのようなケースが日商簿記3級を有効活用できるのか、参考にしてみてください。

日商簿記3級の取得が向いている人
・公認会計士、税理士や簿記1級などの上位資格を目指す人
・大学入試のアピールポイントにしたい人
・経済活動を理解する知識を身につけたい人

6-1.公認会計士や簿記1級などの上位資格を目指す人

こんな人におすすめ
・日商簿記1級や公認会計士
・税理士などの上位資格にチャレンジしたい
・公認会計士や税理士などの適性があるのか見極めたい

会計や経理に関する上位資格を目指す場合は、第一歩として日商簿記3級が向いています。

日商簿記3級で学ぶことは会計や経理の基礎となるので、基礎固めができていなければ、その先の簿記2級や1級または公認会計士・税理士などの応用知識を習得することは困難となります。

簿記とはどのような仕組みなのか基礎をしっかりと理解して日商簿記1級や公認会計士・税理士など上位資格を目指すためにも、まずは日商簿記3級にチャレンジしてみるのがおすすめです。

また「将来税理士になってみたいけれど向いているのか不安」「公認会計士を目指したいけれど学習イメージが湧かない」など、本当に上位資格が向いているのか判断したい場合にも活用できます。

税理士や公認会計士業務には簿記が大きく関わるため「簿記が楽しい」「簿記をもっと知りたい」など、興味が持てるかどうかは重要なポイントです。

まずは日商簿記3級にチャレンジしてみて、自分の適性を見極めるのもいいでしょう。]

【公認会計士を目指す場合は公認会計士の試験勉強から始めよう】
簿記の知識が公認会計士試験においても役立つことは事実です。

しかし、公認会計士を目指すことを決めている場合は、
わざわざ日商簿記の資格勉強から始める必要はないと言われています。
なぜなら、公認会計士の学習内容の中に日商簿記検定3級・2級の内容が組み込まれているからです。

日商簿記のみの勉強からスタートしてしまうと遠回りになり、
公認会計士に合格するまでに余計に時間がかかってしまいます。

効率よく公認会計士試験勉強を進めるためにも、
公認会計士試験を目指している場合は公認会計士試験の勉強から取り掛かるようにしましょう。

6-2.大学入試のアピールポイントにしたい人

こんな人におすすめ
・希望する大学に日商簿記3級での優遇がある
・希望する大学に日商簿記2級・1級での優遇があるのでまずは3級からチャレンジしたい

希望する大学が日商簿記3級取得による優遇を用意している場合は、大学入試時のアピールポイントになる日商簿記3級にチャレンジする価値があるでしょう。

4-4.大学の入試で優遇されるケースがある」でも触れたように、私立大学では日商簿記3級を取得していると出願資格を獲得できる場合や選考時に加点される場合があります。

とくに日商簿記3級の保持が出願資格となっている場合、当然ですが日商簿記3級を持っていないと出願することは出来ません。そのため、日商簿記3級を取得している=出願条件を満たす場合は大きな強みになります。

また、日商簿記3級が選考時の加点になる場合も、願書のみで日商簿記3級を保持していないライバルに差をつけられるため合格に一歩近づくでしょう。

日商簿記3級が優遇対象でない大学も日商簿記2級・1級が対象になっているケースがあります。

まずは日商簿記3級を取得して、大学受験に向けて大学が求める級取得を目指すのも1つの方法です。

6-3.経済活動を理解する知識を身につけたい人

こんな人におすすめ
・仕事活用の有無を問わず経済活動を理解する知識を身につけたい人
・仕事とプライベートのどちらにも役立つ資格を取得したい人

簿記知識の仕事活用への有無問わず、資本主義経済の基盤とする知識を身につけたい人にも日商簿記3級の取得がおすすめです。

会計はビジネスの三種の神器の1つだと言われており、経済活動を理解するうえで欠かせないスキルです。

日商簿記3級は、企業のお金の流れや財務諸表を理解するための基礎知識を学びます。

もちろん経理や会計などの実務などにも役立ちますが、もう少し広い視野で見ると経済活動に関する理解を深められます。

・財務諸表から企業の経営状況が分かる
・経済に関するニュースの内容を理解できるようになる
・家計のやりくりがしやすくなる
・独立に向けた準備に活用できる

など、仕事とプライベートのどちらにも役立てることが可能です。

難しい資格だと「教養を深めたいだけなのにハードルが高いな」と感じてしまいますが、日商簿記3級から手軽にチャレンジできます。

7.【2024年】日商簿記3級の試験方法・日程

日商簿記検定には統一試験・ネット試験・団体試験の3種類があります。

どの方法も難易度や出題範囲、受験料(事務手数料除く)は変わりませんが、申し込み方法や受験方法が異なります。

あなたにとって受験しやすい方法を選ぶためにも、どのような方法があるのか理解しておきましょう。

  統一試験 ネット試験 団体試験
解答方法  紙の解答用紙に記入する パソコンに入力する 紙の解答用紙に記入する
回数 1年に3回 会場により異なるが統一試験より多い 申請する団体により異なる
実施場所 申込先の商工会議所が指定する全国の試験会場 全国のテストセンター 企業や学校が指定する会場
合否 2~3週間程度かかる その場で分かる 2~3週間程度かかる
受験料 3,300円(税込) 3,300円(税込)※別途事務手数料あり 3,300円(税込)
合格証 紙の合格証 デジタル合格証 紙の合格証

▼統一試験とネット試験の違いはこちらで詳しく解説しています。
簿記3級のネット試験とは?統一試験との違いや対策方法を解説!

▼日商簿記3級の詳しい申し込み方法はこちらで詳しく解説しています。
簿記3級の試験日程や申し込み方法は?試験日程の選び方や当日の持ち物も紹介!

簿記3級の申込方法や試験日程を受験方法ごとに解説!

7-1.統一試験の日程

統一試験とは、試験会場に足を運び紙面の解答用紙に答えを記入する方法です。

学校の期末試験などと同様に、紙面に解答を書き込む試験だと捉えると分かりやすいでしょう。

※東京商工会議所など一部の商工会議所では統一試験が廃止され、ネット試験のみになっています。

統一試験は、パソコン操作に不安がある場合や緊張感のある空気の中で集中して取り組みたい場合に向いています。

項目 概要
向いているケース ・パソコン操作に不安がある場合
・緊張感のある空気の中で集中して取り組みたい場合
・紙面に記載したほうが集中しやすい場合
注意点 ・結果発表までに2~3週間程度時間がかかる
・商工会議所により申し込み方法や締切日が異なる

一方で、ネット試験のようにすぐに合否が分かるわけではないので、一刻も早く試験結果を知りたい場合はネット試験のほうがいいでしょう。

統一試験は1年に3回実施します。

2024年~2025年の実施予定は下記のとおりです。

2024年~2025年の日商簿記3級試験日
第167回 2024年6月9日(日)
第168回 2024年11月17日(日)
第169回 2025年2月23日(日)

参考:日本商工会議所「2024年度試験日程カレンダー」

統一試験の開催場所や申込受付日時、申込受付方法は商工会議所ごとに異なります。

統一試験で日商簿記3級を受験したいと思ったら、まずは受験を希望する地域の商工会議所を検索してください。

一例として、大阪の商工会議所の申し込み方法を見てみましょう。

商工会議所検索ページで「大阪」を選択します。

②「簿記」に〇マークのついている商工会議所を選びます。今回は「大阪商工会議所」を選択します。

③大阪商工会議所で実施している日商簿記検定一覧と基本情報が表示されます。

実施場所の住所を確認し、問題なければ3級のインターネット申し込みをクリックして申し込みに進みます。

このように、日商簿記3級を受ける地域の商工会議所ページまで進むと詳しい申し込み方法や期限が把握できます。

とくに下記のポイントは商工会議所により異なるため、早めに確認しておくと安心です。

【商工会議所ごとに異なるポイント】
・申し込みの期間と締切日
・定員制の有無(定員制がある場合は人数に達し次第締め切りになる)
・申し込み受付方法(インターネット申し込み・窓口申し込み)

7-2.ネット試験の日程

ネット試験は、指定された会場でパソコンを使い解答する試験です。

ネット試験は今後主流になっていくと考えられており、問題の表示と解答ともにパソコンで行います。

テストセンターでA4用紙2枚と筆記具(ボールペン)が配布されるので、A4用紙を使い計算をしながら解答をパソコン画面に入力します。

「ネット試験は自宅から受験できるのでは」と思う方も多いかもしれませんが、全国のテストセンターに出向きテストセンターのパソコンを使って試験を実施するので注意してください。

ネット試験は他の試験方法より頻繫に実施しているので、自分のタイミングで受験したい場合やパソコン操作に慣れている場合に向いています。

また、ネット試験は試験システムがその場で自動採点するため、合否が分かります。

合格の場合はすぐにデジタル合格証が取得できるところもポイントです。

項目 概要
向いているケース ・パソコン操作に慣れている場合
・自分のタイミングで受験したい場合
・その場で合否を知りたい場合
注意点 ・統一試験とは申し込みの手順が異なる
・パソコン操作に慣れている必要がある

ネット試験の試験日は、テストセンターにより異なります。

試験を受けたい地域のテストセンターを事前に確認して、予約をしておきましょう。

【試験日】
全国のネット試験会場が決める(統一試験よりも回数が多い)

※全センター共通の休止期間
・2024年4月1日~4月13日
・2024年6月3日~6月12日
・2024年11月11日~11月20日
・2025年2月17日~2月26日

参考:日本商工会議所「日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験について」

一例として、愛知県のネット試験の申し込みは下記の手順で行います。

ネット試験会場ページで「愛知」をクリックします。

②愛知県内のテストセンターが一覧表示されるので、日商簿記3級に対応している最寄りのテストセンターを確認します。

簿記3級を受けたいテストセンターの「簿記受付」をクリックします。

③日商簿記検定の受験者専用サイトに移行するため、会員登録と受験の予約を行います。

このように、ネット試験の場合は受験したいテストセンターを探して受験者専用サイトに登録・申し込みをする手順なので、間違えないようにしましょう。

日商簿記3級のネット試験については下記の記事で詳しく解説しています。

ネット試験を利用してみたい方は、事前にチェックしてみてください。

▼ネット試験のメリットやデメリットはこちらで確認できます。
簿記3級のネット試験は難しい?統一試験との違いやネット試験のメリットも

▼ネット試験での具体的な解答方法はこちらで確認できます。
ネット試験の解き方を解説(3級編)

7-3.団体試験の日程

団体試験とは、学校や企業などの団体がまとめて日商簿記3級受験を申し込み試験をする方法です。

テスト方式は統一試験と同じで、会場に出向き配布された問題用紙に解答を記入します。

学校や企業が窓口となり受験申し込みなどの取りまとめをしてくれるため、日商簿記3級を受ける準備にかかる負担を軽減できる点がメリットです。

基本的には自社の従業員や学生が対象となるため、一緒に日商簿記3級を目指す仲間を見つけられる側面もあります。

項目 概要
向いているケース ・企業や学校が団体試験を実施している場合
・試験申し込みの準備や手間を省きたい場合
・企業や学校内で日商簿記3級を目指せる仲間を見つけたい場合
注意点 ・企業や学校が実施していないと選択できない

団体試験の実施場所や実施日は申し込みをする商工会議所と企業・学校が調整して決めるため、団体試験実施のお知らせなどを確認してください。

【試験日】
企業や学校などの団体と商工会議所が調整して決める

参考:日本商工会議所「日商簿記検定試験(団体試験方式)の施行開始について【企業・教育機関関係者様】」

また、団体試験は学校が企業が申請して行うものなので、学校・企業で必ず実施しているわけではありません。

団体試験を受けたいと思っている場合は、あなたの所属している企業・学校で団体試験を実施しているか確認してください。

8.日商簿記3級合格するにはどうすればいい?勉強時間・スケジュール

ここまでこの記事を読み、日商簿記3級の概要および試験日程について理解することができたのではないでしょうか。

具体的に試験勉強を開始するときに気になるのが、勉強時間やスケジュールですよね。

ここでは、日商簿記3級の勉強を開始するときに知っておきたい勉強方法やスケジュールをご紹介します。

どのように試験勉強を進めたらいいのか、具体的にイメージしてみましょう。

日商簿記3級を目指すときの勉強時間・スケジュール
・必要な勉強時間は100~150時間程度
・勉強のスケジュール例:1日1.5~2時間の勉強で合格を目指せる
・勉強方法の例:「通学」「通信」「独学」の3つのパターンから選択できる

8-1.必要な勉強時間は100~150時間程度

日商簿記3級に必要な勉強時間は、100~150時間程度です。

他の資格と比較すると、比較的少ない勉強時間で合格を目指せます。

資格 平均的な勉強時間
日商簿記3級 100~150時間
日商簿記2級 250時間
日商簿記1級 500~2,000時間
公認会計士 3,000時間
税理士 2,000~3,000時間

上位資格と比較すると勉強時間が少ないのは「基礎知識を対象としている」ことと「上位資格よりも出題範囲が狭い」ためです。

日商簿記3級は、簿記の入門資格として基本的な知識を対象としています。

上位資格のように専門知識や応用知識を求められる部分が少ないため、短期間で合格を目指せます。

また、日商簿記3級は上位資格と比較すると出題範囲が狭いので、必要な知識を習得する時間を短縮できます。

既に簿記の知識がある場合は100時間以下・独学でも150時間程度あれば、十分に合格を目指せる範囲でしょう。

日商簿記3級の合格に必要な時間は下記の記事でも触れているので、参考にしてみてください。

簿記3級に合格するのに必要な勉強時間は?おすすめの勉強方法も解説

【日商簿記3級には電卓が必須!使いやすい電卓を用意しよう】
日商簿記3級の試験には計算器具として、電卓・そろばんのどちらかを持ち込めます。
試験勉強の段階から使いやすい電卓を見つけて、正確に効率よく問題を解けるようにしておきましょう。

下記の記事ではおすすめの簿記電卓を紹介しているので、電卓選びの参考にしてみてください。
おすすめの簿記電卓とは?

8-2.勉強のスケジュール例:1日1.5~2時間の勉強で合格を目指せる

日商簿記3級合格に必要な勉強時間が把握できたところで、実際にどのようなスケジュールで勉強すればいいのか一例を見てみましょう。

社会人の場合は平日の勉強時間は帰宅後に1.5時間~2時間程度確保して、基礎知識の習得を進めます。

休日はスケジュールに応じて、平日よりも少し多めに勉強できるのが理想でしょう。

平日は1.5~2時間程度、休日は2.5~3時間程度勉強できれば、2~3ヶ月程度で合格を目指せます。

資格学校などに通う場合は、資格学校で勉強する時間と復習する時間の双方を設けるようにしましょう。

できるだけ短時間で合格したい場合は、休日に練習問題や模試を解く勉強時間を増やせば2ヶ月程度でも合格を目指せるでしょう。

高校生の場合は、平日は部活や学校の勉強があるので試験勉強は少なめにして、休日の勉強時間を増やす方法が検討できます。

平日は1~1.5時間程度、休日は3~3.5時間程度勉強できれば、2~3ヶ月程度で合格を目指せます。

商業科など授業で簿記を扱う場合は基礎的な理解ができているため、もう少し短期間で合格を目指せる可能性があります。

このように、日商簿記3級は仕事や学校、プライベートと両立しながらスケジュールに応じて、無理なく合格を目指しやすいです。

【日商簿記3級の試験日が近づいてきたら?勉強するポイント】
日商簿記3級の試験が近づいてきたときの勉強方法は下記の記事で詳しく解説しています。
スケジュールを立てるときに具体的なイメージを持つ参考にしてみてください。
▼日商簿記3級試験の1ヶ月前は苦手分野を克服しよう
試験1ヶ月前にすることは(3級)
▼日商簿記3級試験の10日前には試験概要を理解しよう
試験10日前にすることは(3級)
▼日商簿記3級試験の3日前には今までの総復習をしよう
【日商簿記検定ラスト3日間にやるべきこと】
▼日商簿記3級は複数が鍵を握る!具体的な複数の方法を知っておこう
【復習が一番大切!CPAラーニングが合格するための復習方法を解説】
▼日商簿記3級に一発合格するポイントを知っておこう
【簿記3級】一発で取得するために! 〜不合格者に共通する特徴5選!〜

8-3.勉強方法の例:3つのパターンから選択できる

日商簿記3級の具体的な勉強方法には「通学」「通信」「独学」の3パターンがあります。

項目 通学 通信 独学
概要 資格スクールなどに通い勉強を進める方法 通信講座のテキスト・練習問題を使い勉強を進める方法 自分で教材を選び勉強を進める方法
メリット ・知識のある講師から学べるので初心者でも理解しやすい
・モチベーションを維持しやすい
・添削などのサポートを受けられる
・日商簿記3級合格に特化したテキスト・練習問題を使える
・自分のペースで無理なく進められる
・自分の得意不得意に合わせて勉強できる・コストを抑えられる
デメリット ・費用がかかる
・通学する時間を捻出しなければならない
・費用がかかる
・強制力が弱く継続できないことがある
・モチベーションを維持することが難しいケースがある
向いている人 ・簿記初心者で独学に不安がある人
・一人ではモチベーションを維持できない人
・簿記の勉強の進め方が分からない人
・テキストを揃えてモチベーションを高めたい人
・自分のペースで進めたい人
・コストを抑えたい人

通学は、日商簿記3級の資格スクールなどに通う方法です。

日商簿記3級取得に特化した講義を受けられるので、初心者でも理解しやすいところが大きなメリットでしょう。

通信は、通信講座を利用して勉強を進める方法です。

申し込みをするとテキストと教材が送付されてくるため、日商簿記3級の勉強がしやすい環境を整えられます。

独学は、自分でテキストや教材を選び自分のペースで勉強する方法です。

4-3.独学での合格が目指せる!ハードルが低く挑戦しやすい」でも触れたように、日商簿記3級を受験する人の約80%が独学です。

難易度が低く勉強時間も短いため簿記に触れたことがない場合でも、まずは独学から挑戦してみることをおすすめします。

「独学での理解が合っているのか不安」「日商簿記3級に向けて理解を深めたい」という場合には、独学での学びをサポートする「CPAラーニングの簿記講座」を活用してみてください。

CPAラーニングは、簿記や経理実務など1,500本以上の講義を無料で視聴できるeラーニングサイトです。

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「これから日商簿記3級の勉強を始めてみよう」と思った方は、ぜひCPAラーニングを活用して合格を目指しましょう。

9.まとめ

今回は、日商簿記3級の難易度や試験内容、勉強の進め方をまとめてご紹介しました。

経営活動の基盤となるお金の流れが理解できる資格なので、取得してみようと感じた方は多いかと思います。

最後にこの記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

◯日商簿記3級とは経理・会計の基礎知識が身につく人気の資格

◯日商簿記3級の平均合格率は約40%

◯日商簿記3級の出題範囲は「簿記の基本原理」「諸取引の処理」「決算」「株式会社会計」の4項目から、経理・会計の基礎知識を確認できる初歩的な内容が選定される

◯日商簿記3級を取得するメリットは次の4つ

1)経済活動を理解する基礎知識として幅広い職種で活用できる

2)就職や転職に有利になる場合がある

3)独学での合格が目指せる!ハードルが低く挑戦しやすい

4)大学の入試で優遇されるケースがある

◯日商簿記3級が向いている人は次のとおり

1)公認会計士・税理士や簿記1級などの上位資格を目指す人

2)大学入試のアピールポイントにしたい人

3)経済活動を理解する知識を身につけたい人

◯日商簿記3級の受験方法は次の3つ

  統一試験 ネット試験 団体試験
解答方法 紙の解答用紙に記入する パソコンに入力する 紙の解答用紙に記入する
回数 1年に3回 会場により異なるが統一試験より多い 申請する団体により異なる
実施場所 申込先の商工会議所が指定する全国の試験会場 全国のテストセンター 企業や学校が指定する会場
合否 2~3週間程度かかる その場で分かる 2~3週間程度かかる

◯日商簿記3級取得を目指すうえで知っておきたいポイントは次の通り

1)時間取得に必要な勉強時間は100〜150時間

2) 独学なら仕事や学校と両立しながら無理せず合格を目指せる

3)独学での勉強は無料で使えるCPAラーニングの活用がおすすめ

日商簿記3級は受験者の約80%が独学で合格しているチャレンジしやすい会計・経理系の資格です。

ぜひ無料で使えるeラーニングサービスCPAラーニングを活用しながら、日商簿記3級取得を目指してみましょう。

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